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【サウジアラビアRC・毎日王冠・京都大賞典予想】東京・京都ともに開幕週となる今週末 各重賞に出走する有力馬の状態は?

  • 2023年10月04日(水) 18時00分

ディープボンドはコース実績を活かせる状況ではある


 先週のスプリンターズS。競馬場での仕事があったので、現地観戦することができました。いろいろと悩んだ結果、◎ナムラクレアとしましたが、他に本命候補とした馬が馬券圏外だったことを思うと、よく3着には入ってくれたと思います。ただ、1番人気ですから、当然勝ってくれないと配当的には困ります(笑)。でも、あとでパトロールを見たら、3コーナーでママコチャとの勝負あったという感じ。参りました。

 さて、今週は3日間開催。土曜日にサウジアラビアRC、日曜日に毎日王冠、月曜日に京都大賞典という重賞スケジュール。東京、京都ともに開幕週ですから、どんな馬場、どんな時計の出方なのか。そこが一番の問題ですが、昨年同開催の結果を検証して用意している調教適性がありますから、そこでしっかりと戦いたいと思います。

【サウジアラビアRC/エコロマーズ】

 前走は中山だったとはいえ、芝1600mのレース。デビュー戦でCWを併用していたことを思えば、同じ調教内容がベストだったと思いますが、前走は坂路オンリーでした。調教適性という観点からは2番人気でも5着は仕方ないと思いますし、今回はCWを併用してくるかどうかが気になっていました。

 すると、1週前追い切りがCWでしっかり。ゴール前こそ減速するラップになりましたが、道中はきれいな加速ラップ。道中で脚をためたいことを思えば、追い切りの内容自体が優秀だったと思いますし、あとは相手関係とスピード勝負になった時がどんなパフォーマンスを発揮できるかでしょう。

【毎日王冠/ジャスティンカフェ】

 エプソムCから毎日王冠というローテーションは昨年と同じ。大きく違うのは、今年はエプソムCを勝って、ここへ出走してきたという点です。そういった勢いは評価したいところなのですが、調教内容も少し変わっています。

 まず、1週前追い切り。昨年の毎日王冠2着時はCWでしたが、今回は坂路。ダービー卿CTの1週前が坂路だったので、好走実績がないわけではありません。ただ、そのダービー卿CTの時の最終追いはCWで3頭併せを最先着。しかし今回は単走。単走に好走実績がないわけではありませんが、その時は1週前がCW。というわけで、なかなか悩ましい調教パターンであることは間違いありません。

調教Gメン研究所

ジャスティンカフェの調教パターンは評価が悩ましい(9月20日撮影)


【毎日王冠/エルトンバローズ】

 3連勝で重賞制覇。勢いある3歳馬ですが、それをあらためて感じたのが、CWでの1週前追い切りです。3頭併せでしたが、それに最先着したことはもちろん、6F80.4秒と速い時計をマークしつつ、ラスト1Fが最速。しかもラスト2Fは11.4秒から11.3秒と文句なしの伸びを見せています。

 そして、今回の最終追い切りは坂路で4F52.6秒で自己ベストを更新。しかも4F目が11.7秒で最速ラップを踏んでおり、追い切り本数こそさほど多くありませんが、これまでで最も魅力的な追い切り内容といってよいでしょう。あとは実績ない左回りと古馬との初対決。ここがどうかです。

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これまでで最も魅力的な追い切り内容のエルトンバローズ(写真中央、9月27日撮影)


【京都大賞典/ディープボンド】

 2022年阪神大賞典から勝つことはできていないものの、今年の天皇賞(春)では2着。宝塚記念も掲示板を確保する5着でまだまだ存在感をアピールしているといったところでしょうか。秋は2年続けてフランスへ遠征していましたが、今回は国内でこのレースから。調教内容に関しては順調といった感じがします。

 決して多くない追い切り本数ですが、9月28日のCWでは毎日王冠に特別登録しているノースザワールドを追走して先着。1週前追い切りで併せ先着はいつものパターンですし、6F81.1秒という時計も負荷としてはいつも通り。休み明けということを考えれば、まだ良化の余地がある状態でしょうが、他馬があまり経験していない京都競馬場で、しかも実績がある外回りですから、アドバンテージを最大限に活かすことができる状況ではあります。

調教Gメン研究所

ディープボンドはアドバンテージを活かした競馬に期待(10月4日撮影)


【京都大賞典/ヒートオンビート】

 目黒記念で初重賞制覇。ハンデ戦で58キロを背負っての勝利に価値があったように思います。以前は最終追い切りがDPということが多かったのですが、この時は最終追いが坂路。七夕賞2着時も最終追いが坂路だったので、まず最終追いが坂路かどうかというのはひとつのチェックポイントになるでしょう。

 中間の調教内容に関しては、しっかりと追い切り本数をこなしています。CWでの3頭併せを毎週のようにこなしましたが、週を追うごとにその動きが良くなってきた感じ。1週前追い切りでも6F81.1秒と時計的な負荷もしっかりかけていますから、休み明けでもその中身に関してはきっちり出来ている印象です。

調教Gメン研究所

ヒートオンビートは最終追いの内容にも注目(9月13日撮影)


◆次走要注意

・9/30 2歳未勝利【サフィラ】(1人/1着)

 6頭立てとはいえ、33.7秒のメンバー最速上がりを使っての圧勝。不利を受けないように外を回す形になりましたが、それでしっかり勝ち切るところが能力。今後も最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら、きっちり能力は発揮してくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝1800m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
○週末追い切りが美浦坂路で2F28.0秒以下かつ4F目最速ラップ
○最終追い切りが南Wで併せ馬を追走して先着

 過去の毎日王冠も例に漏れず、併用系統の調教タイプが好走しています。美浦所属馬にとっては、つい先日まで工事していた馬場で追い切りできなかったという要因がありますが、その影響は調教適性としてはあると思います。ただ、併用ではないソングラインとシュネルマイスターの絶対能力に調教適性でどこまで対抗できるか、という予想になりそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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