打倒リバティアイランドを目指す各馬には不安要素が…
リバティアイランドの三冠成るかが注目の秋華賞だが、正直なところ三冠の可能性は高いだろう。秋華賞は内回りコースながら差し競馬になることが多く、リバティアイランドには合っている。オークスで2着以下につけた着差は決定的でもある。なにかあるとしたらよほど極端な展開か外に馬がかぶって動けなくなる等だろうが、この人馬を締めにいく根性のある騎手もいないのではないだろうか。
ハーパーはオークス2着なので本来ならば打倒リバティアイランドの筆頭馬だが、春に付けられた着差と、オークスでの上がりタイムの差(0.8秒)を考えるとなかなか戦略が思い当たらない。とにかくリバティアイランドよりは前で進めて後ろがこじれることを祈るしかないだろう。
マスクトディーヴァは厳しいペース・レコード決着のローズSで優勝。今回コースは変わるが、京都内回りでも同じような脚を使えればリバティアイランドに対して見せ場を作ることもできそうだ。本来ならローズS上がり最速のブレイディヴェーグが居てほしかったが、居ないものは仕方ない。
モリアーナは紫苑Sを勝っての参戦。紫苑Sは重賞になってからメンバーレベルが上がり、本番にもある程度繋がることになった。この馬は春までに重賞を使って負けているので大きな幻想を抱かせる存在ではないが、実は2000mがベストというシナリオは残っている。脚質に自在性もあるので、とった戦略と展開が噛み合った場合には面白い存在になりうる。
ドゥーラはクイーンS勝ちからの参戦。51キロだったとはいえ、早めから大外を捲って勝ち切った内容はよかった。動きたいときにすっと動けるのは強みで、どこか緩むラップがあったらそこにワンチャンス生じうる。
ヒップホップソウルは自在性のある馬だが差し勝負をしてリバティアイランドに勝てる可能性はほぼ0なので、位置を取りに行ったほうがよいのではないかと思う。これはコナコーストあたりにも言えることだ。
昔の秋華賞は前走2勝クラス組の好走が多かったが、過去10年の前走条件戦組(1勝クラス組も含む)は[0-2-2-23]で複回収率59%。今回はピピオラとフェステスバントが抽選を突破。前者には連勝の魅力があるが、いまの時代なかなかこのタイプの馬が好走することは容易でない。