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▲2019年の『太のはしご酒』出演時(C)netkeiba.com
昨日、熊沢重文騎手の引退が発表されました。熊沢騎手といえば、4年前のスペシャル企画『太のはしご酒』のゲストとして、同級生談義を繰り広げた間柄。引退についても、少し前にご本人から聞いていたそうです。
熊沢騎手のケガとの闘いを間近で見てきただけに、「よう頑張ってきたと思う」と心から労った小牧騎手。同級生の引退を前に、胸の内を明かしてくれました。
「太のはしご酒」第1回を読む (取材・文=不破由妃子)
ケガが続いていたなかで、ようここまで頑張ってきたと思う
──昨日、熊沢重文騎手が引退を発表。ご本人から聞いていましたか?
小牧 うん。僕らジョッキーはみんな、ちょっと早めに聞いてたよ。同じ年(同学年)だけにね、寂しいけど…。もうね、しょうがないよ。ケガの影響やからね。去年の2月に、大きなケガをしたでしょう。今年1年ぶりに復帰したけど、僕としたらね、もうあんまり無理せんほうがいいのになと思いながら見てました。復帰までにかなり時間が掛かったし、復帰したあとにも落馬があって、そこでも骨折したからね。
──ご本人からいろいろ聞いていたんですか?
小牧 いや、そんなに詳しく聞いていたわけではないよ。ほら、彼はあんまり自分のことは言わないから。熊ちゃんのほうから話してきたときだけ、聞いていた感じやね。そんななかで、「医者からは『復帰は無理や』って言われた」っていうのは聞いてた。
──引退発表のニュースのなかにも「骨自体はくっついてはいないので、普段の生活でも打ちどころが悪ければ危ない、とドクターストップを受けて決めました」というご本人のコメントがありましたね。
小牧 うん。それでも、「俺にはもうこれしかないからなぁ」って言いながら乗ってたわ。これだけケガが続いていたのに、ようここまで頑張ってきたなと思う。
──満身創痍でしたものね、ほんとに。
小牧 そうやね。まぁ長い人生、ジョッキーだけじゃないから。僕もね、無理にしがみつくことはないなと思っているところや。楽しいことは、ほかにもようけあるのになと思いながらね。ただ、熊ちゃんと一緒で、僕もジョッキーしかやったことがないからね。頑張れるところまでは、と思っているけど。熊ちゃんの引退式は行かなアカンね。たとえその日に乗り馬がいなくても、駆けつけるつもりです。
──引退式は、11日の京都ですね。
小牧 ああ、11日か…。ひょっとしたら、福島かもしれんわ(苦笑)。ついさっき、「グレアミラージュが福島使うけど行きますか?」っていう連絡があって、「乗り馬がいるんやったら、アメリカでもメキシコでも乗りに行くよ」って返事したところ(笑)。
──あら、カッコいい(笑)。
小牧 そうそう、今週初めて淨閑さんが1頭ゲットしましたわ。
──ホントに!? やった!
小牧 牧田厩舎のクラップサンダーという1勝クラスの馬でね。先週、牧田くんから淨閑さんに連絡があったらしいわ。牧田くんとは、もともと僕も仲がいいけど、なんせ淨閑さんの第1号やからね。
──淨閑さんもホッとしているでしょうね。
小牧 そりゃそうや。喜んでたよ。なんとか収入になるよう、頑張っていかなね。
──クラップサンダーは、3走前に現級3着。一発あるかも!?
小牧 過去のレースを見て、しっかり研究しておかなアカンね。次につながるように一生懸命乗ってきますわ。そういえば、ワンダーブレットも京都で使うかもしれん。
──日曜日に乗ってらっしゃいましたね。絞れてきました?
小牧 いやぁ、なかなか…。前走からまだあんまり時間が経っていないしね。
──ですよね。プラス30キロは手強い…。
小牧 あと、ヤルキゲンキフトシがゲート試験受かったよ。まだどこを使うのかはハッキリしていないけど、助手さんに「頼むわ」って言ってある。
──小牧さんは乗らないんですか?
小牧 僕はまだ1回しか乗ってないねん。ずっとガンバルフトシに乗っていて、結果が出んかったことがショックやったのもあって…。だから、ヤルキゲンキはある程度助手さんに任せようと思ってね。淨閑さんも、まずはひとつ結果が出たことだし、僕もあとは結果やね。どの馬も結果がついてくるよう、一生懸命乗るだけや。
(文中敬称略)