【AR共和国杯・みやこS】時折存在を際立たせるAR共和国杯
傾向がこの5年で変化
長距離重賞として、時折その存在を際立たせるアルゼンチン共和国杯だが、2008年に勝ったスクリーンヒーローがジャパンC馬となり、その産駒ゴールドアクターがここを勝って有馬記念馬になったことで、一層、その期待を大きくしたと言える。これに続いて16年の勝ち馬シュヴァルグラン、17年のスワーヴリチャードと、その後ジャパンCを勝ってこの流れを受け継いできた。
ところが、この5年は、その傾向に変化が見られるのだ。
3歳で挑戦したオーソリティが6戦目で古馬を破って勝利すると、その後の有馬記念や春の天皇賞で大敗に終わったものの、翌年のこのレースで連覇を達成したのだ。
元々3歳春の青葉賞をレースレコードで勝った実績があり、骨折でダービーに出走できなかったのだったが、4歳2月のダイヤモンドS2着を含め東京コースは全部で4戦3勝2着1回と、一番力の出せる舞台だった。
東京のこの舞台と言えば、春の目黒記念が全く同じ条件と言える。スタート地点がホームストレッチの坂下にあり、最後の直線と合わせて坂越えが2回ある。長距離向きのスタミナが必要なのだ。オーソリティは、三冠馬オルフェーヴルの産駒でステイゴールドの血を受け継いでいた。
決め手勝負と言うより、ある程度の位置から持続的に脚が使えるものが有利と言えるこのコースにぴったりの脚質だった。
目黒記念好走組と言えば、今年は、ヒートオンビートとディアスティマの1、2着馬が出走してくる。ただ、ヒートオンビートは59キロのハンデ頭で、もう一頭のディアスティマは好走例の少ない逃げ、先行馬というマイナス面が気になる。そこで加えたいのが、成長力があるとか晩成タイプだ。
昨年6番人気で勝ったブレークアップは、前走東京の3勝級2400米の六社Sを勝ったばかりだった。ノヴェリスト産駒らしいジリ脚で詰めが甘いレースが続いていたが、4歳の秋になり頑張りが利くように成長していたのだった。
この流れを受けると今年の顔振れからは、チャックネイトとジャンカズマ、レッドバリエンテの3頭ということになるが、舞台を考えると、この中からはチャックネイトとレッドバリエンテを取り上げてみたい。それと、長く脚を使えるという点からは、マイネルウィルトスを。一昨年の2着馬で目黒記念2着を含め、この舞台で2戦して2着2回の功績を残している。以上5頭の中から取り上げてみたいが、どうなるか。
ダートのみやこSは、2月のダートの新馬戦1800米で8馬身差の勝利で鮮烈デビューし、目下4戦全勝の3歳馬セラフィックコールに期待してみたい。ここからチャンピオンズCというスター街道を進めるかどうか。
3連勝でオープン入りしたアスクドゥラメンテ、コーナー4つで息を入れながら先行できるワールドタキオン、京都の平坦コースで粘りを増すウィリアムバローズを相手に。
「それぞれに この先にある 進む道」