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熊沢重文騎手の引退式「出ていたら絶対に泣いてたわ(笑)」“泣き虫ジョッキー小牧太”が2度泣き損ねた先週末の話

  • 2023年11月14日(火) 18時01分
太論

▲「お疲れさん」と声を掛け熊沢騎手に花束を手渡した(提供:小牧太騎手)


先週末は、京都→東京→山口と移動し、大忙しだった小牧騎手。土曜日は、京都ジャンプS後に引退式を控えた熊沢騎手に花束を渡し、引退式には参加せずに、そのまま東京へ向かったそうです。

月曜日はボートレース徳山でイベント出演。「(ボートレースに)半分足を突っ込んだ」というほどおもしろかったそうで、収支も含めて振り返ってくれました。

(取材・文=不破由妃子)

ゴール前は絶叫! 「加矢太が重賞を勝ったら泣くかもしれん」


──先週おっしゃっていた通り、土曜日は熊沢さんの引退セレモニーへ。8Rの京都ジャンプSのあと、花束を渡されたそうですね。

小牧 うん。次の日は東京やったからね。たとえば新幹線が止まったりとか、何かあったらいけないと思って、引退式までは残らなかったんですわ。やっぱり騎乗が大事やからね。

 8レースが終わったあと、障害ジョッキーの子たちに混ざって一緒に写真を撮りました。みんないたから、熊ちゃんとはゆっくり喋れなかったけど、「お疲れさん」と声を掛けて花束を渡して。僕、引退式に出ていたら、絶対に泣いてたわ(笑)。

──間違いない(笑)。その京都ジャンプSは、加矢太さんが半馬身差の2着(アサクサゲンキ)。惜しかった…。

小牧 久しぶりに声が出たわ。僕、加矢太が重賞を勝ったら泣くかもしれんと思った。

──泣き虫ジョッキーが二度も泣き損ねた日だったと(笑)。

小牧 そうやねん(笑)。淨閑さん(小牧騎手の新エージェント)も応援に来てくれていたから、ふたりでスタンドの上でレースを観てね。なんか感極まったわ。レース後は僕も下に下りて行って、音無先生といろいろ喋ったりして。

「先生、なかなか勝つのは難しいですね」って言うたら、先生も「難しいなぁ」とは言っとったけど、最後に「俺にはまだ来年もあるから心配するな」って言うてくれてね(音無調教師は2025年2月いっぱいで定年)。

 加矢太、日曜日は福島で音無厩舎の馬に乗っていたでしょう。先生も福島に行ってくれたみたいでね。大事にしてもらっているのがすごく伝わってきて、なんかうれしかったわ。

──重賞初制覇は、ぜひ自厩舎の馬で決めてほしいですね。今回は着差が着差でしたから、加矢太さんも悔しかったでしょうね。

小牧 悔しそうにしてたで、そりゃ。たぶん勝ったと思ったやろ。

──加矢太さん、ゴールした瞬間、叫んでいませんでした?

小牧 ああ、叫んでる写真を見たわ。よっぽど悔しかったんやろうね。

──しかも、アサクサゲンキは熊沢さんが作った馬。もしここで勝ったら、ドラマだなぁと思っていました。

小牧 僕もそう思っててん。もし勝っていたら、熊ちゃんも一緒に写真撮れたのになぁ。残念やったけど、まぁこれからもチャンスはあるからね。

──銀嶺Sのドリームビリーバーは8着。番手からギリギリまで粘りましたね。

小牧 なんとか8着に残ってくれて。上手くペースを落とせたから、これは着くらいあるかなと思ってたんやけどね。パッタリはこなかったけど、やっぱりちょっと1400mは長いかな。素直で真面目に走る馬やから、もうちょっと息を抜いて走れたら、距離も持つんやろうけどね。

──レース後、戸田先生とはどんなやり取りを?

小牧 競馬場にはいなかったんやけど、「久しぶりに競馬したな」ってメールがありました。乗り味もいいし、ここまでいいジョッキーばっかり乗っている馬やからね。楽しみな馬だと思うよ。機会があれば、またぜひ乗せてもらいたいです。

──競馬のあとは、東京から翌日のイベント出演のために山口へ。

小牧 東京から新幹線で4時間15分。思った以上に遠かったわ。新大阪で園田時代の先輩の三野(孝徳)さんと合流してね。

──元ジョッキーの?

小牧 そうそう。引退したあとはイベント関係の会社をやっていて、トークショーを企画したり、いろいろやってるんですわ。今回のイベント出演も三野さんからの依頼です。

──そうだったんですね。小牧さんとボートレースはあまり結びつきませんが、どうでした? 楽しかったですか?

小牧 楽しかったよ。ちょっと半分足を突っ込んだね、ボートに(笑)。1レースから12レースまで、みっちり予想と展望をやりましたわ。何も知らんのにね(笑)。

──どういう内容のイベントだったんですか?

小牧 MCの子と一緒に全レースの予想と展望をやって、その様子をYouTubeで生配信するという企画でね。『すなっち〜ず!』って言うんかな。YouTubeの視聴者からどんどんコメントが上がってきたりして、おもしろかったし、とにかくよう喋ったわ。ボートレース徳山の公式チャンネルで見られるので、お時間のある方はぜひ見てみてください。

──肝心の収支は?

小牧 予想はすごく当たったんやけど、収支はマイナスやった(苦笑)。そういえば、幸(英明)くんとか(藤岡)佑介も同じ企画に出たみたいよ。僕はほとんどギャンブルはやらんけど、おもしろかったからか、1日がアッという間やった。呼んでもらえるのであれば、またぜひ行きたいね。イベントといえば、12月30日に熊ちゃんとトークショーやるよ。

──それは行きたい! どこでやるんですか?

小牧 園田でやります。急に決まったんやけど、あれだけの実績があれば、なんでも喋れるからね。僕も今から楽しみや。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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