【マイルCS予想】秋のマイル王決定戦 淀のマイルは流れが速くなるとは限らない
前走レースレコードから更なる前進に期待
マイルではまず崩れないシュネルマイスター、昨年の覇者セリフォスを中心の牡馬GI馬はきわめて強力だが、京都のマイルは速い流れになるとは限らない。牝馬ナミュール(父ハービンジャー)に期待したい。
前走の富士Sはレースレコードの1分31秒4。自己最速だった。逃げ馬の1000m通過56秒7のハイペースを中位で追走。自身の中身は「57秒6-33秒8」。残り1ハロンで先頭に立つとそこから最後11秒6。抜け出しても伸びている。
体質充実の4歳秋。自己最高馬体重454キロだった。直線が平坦の京都で鞍上はR.ムーア。前回のレース運びを確認して、早めのスパートで強力な差しタイプを封じる作戦に出ることも可能だ。その点では、もまれない外枠は不利ではない(ムーア騎手は2015年に16番枠のモーリスで勝っている)。
快走の期待は血統背景にもある。桜花賞馬の3代母キョウエイマーチの父は、爆発力こそが真価だった凱旋門賞馬ダンシングブレーヴ。
母サンブルエミューズ(父ダイワメジャー)は、米BCディスタフを制したマルシュロレーヌ(父オルフェーヴル)と同父系の父をもつ姉。クインナルビーから発展する伝統の一族の代表馬は、1989年のマイルCSを歴史的な逆転劇で制したオグリキャップ(有馬記念2勝などGI4勝)でもある。
父ハービンジャー産駒のGI・GII制覇(海外、Jpnを含む)は計18勝。うち11勝までを牝馬が占めている。パワフルな産駒が多いようにみえて交配相手のスピード能力、鋭さを削ぐことなく引き出している。
直仔のセリフォス、マテンロウオリオンが出走するダイワメジャー(22歳)は、優れたマイラーを送るタフな種牡馬として大活躍。母の父としてのGI・GII(Jpnを含む)はここまで7勝。すべて牝馬が記録したものだ。