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「鞍を外すときって危険やねん」武豊騎手がジャパンCの騎乗を見送り 同じ負傷経験のある小牧騎手の体験談

  • 2023年11月21日(火) 18時01分
太論

▲豊くんのことは心配やったからメールを入れたんやけど…(撮影:桂伸也)


ガンバルフトシに続き、友人・伊藤永二郎オーナーの所有馬、ヤルキゲンキフトシがデビューを迎えます。ガンバルフトシに比べるとコメントこそ控え目ですが、「やれそうな感触はある」とキッパリ。待望の初勝利なるか、注目です!

ユーザーからの質問は、「武豊騎手の負傷」について。「僕も同じような経験があるよ」と小牧騎手。自身の経験から、鞍を外す際の危険性について語ってくれました。

(取材・文=不破由妃子)

ついにヤルキゲンキフトシが出陣! 強気なコメントは避けるも「いい動き!」


──今週は、ヤルキゲンキフトシがデビューを迎えます。

小牧 たぶん使うと思うよ。土日に乗って、日曜日は速いところをやってね。いい動きをしているけど、今回はあんまり強気なコメントは避けておこうと…(苦笑)。

──今回はやけに慎重ですね。

小牧 ガンバルフトシで期待させてしまったからねぇ。僕自身としてはやれそうな感触があるし、助手さんもいいって言ってくれているけど、やっぱり馬はレースに行ってみないとわからんから。とはいえ、今朝も誠の湯でファンの人に「ヤルキゲンキフトシ、頑張ってください!」って声を掛けられたわ。

──『太論』、読んでくださっていますね。

小牧 誠の湯でよく会う方でね、読んでくれているみたい。応援してもらえるのは、やっぱりうれしいもんやね。

──ヤルキゲンキフトシはどんな性格ですか?

小牧 ガンバルフトシと一緒で、素直でむっちゃおとなしい。僕に似て。

──笑。

小牧 なんで笑うの? 知らんけど(笑)。おとなしいけど、たぶん日曜日に追い切ったことでピリッとしてくるんちゃうかな。芝1800mに登録しているけど、Cコースで乗った感触からすると、もしかしたらダートのほうがいいかなと思って。

──血統的には芝ですけどね(父アメリカンペイトリオット)。

小牧 そうなんやけど、掻き込むように走るタイプなんでね。今週はダートの1800mもあるから、そっちに行くかもしれんし、初っ端は芝を使ってみるのもいいしね。まだちょっと太いけど、けっこう乗り込んでいるし、とりあえず1回レースを使ってみて、どんな走りができるのか見てみたい。まぁあんまり人間がイレ込まんと、至って冷静に乗ってきますわ。

──ガンバルフトシはまだ放牧中ですか?

小牧 うん、小松にいるよ。小松の場長は友だちやからね。「頼むわ」って言ってあるんやけど、なんかまた腹が出てきているらしい(苦笑)。ちょうど「しっかり乗り込んでくれ」って電話で頼んだところや。

──まぁまだ時間はありますから。一度は手応えを感じた馬ですからね、開花のときを待ちましょう。

小牧 そうやね。あきらめんと、絞れて帰ってくるのを待ちますわ。

──ワンダーブレットとグレアミラージュも順調に時計を出していますね。

小牧 今週は2場開催やから、入るかどうか。でも、入ったとしても、今回はワンダーブレットには乗らへんねん。

──えっ!? なぜですか?

小牧 笹田先生の息子さんの知宏くんが園田でジョッキーやってるでしょ? 今週、園田から中央に乗りにくるらしいわ。笹田さんに「どうかな」って聞かれたから、「せっかくくるんやから、乗せてあげて」って言うてね。入るかどうかわからんけど、もし入って5着までにきてくれたら、そのあと好きなところを使えるし。絞れてきたし、ピリピリし出して、ようなってるよ。

──では、質問をひとつ。「武豊騎手の復帰が遅れるとのことで心配です。蹴られてしまったことに対し、武さんは『自分が悪い』とおっしゃっているそうですが、よくあることなのでしょうか?」。

小牧 僕も蹴られたことがあるからね。だいぶ昔やけど、翌日はローゼンクロイツで天皇賞(秋)に乗りに行くという日で、その日は京都で乗っていたんやけど、鞍を外すタイミングで太ももの前側を蹴られて、確か2針くらい縫ったんちゃうかな。橋口先生に「明日は無理せんと休んだら?」と言われて、東京行きを取り止めたんやわ。

──鞍を外すときということは、武さんと同じタイミングで。

小牧 そう、豊くんと一緒です。鞍を外すときって危険やねん。どこにいるかわからへんから。

──どこにいるかわからないとは、どういう状況ですか?

小牧 入着した馬は、区切られたところに入りますやん。でも、ほかの馬たちはあちこちに散らばった状態で鞍を外しているから、ホンマに気を付けておかんと危ないんですわ。僕が蹴られたときは、パッと後ろを見た瞬間、脚が飛んできたからね。

──ああ、自分が乗った馬ではなく、ほかの馬に蹴られた。

小牧 そうそう。豊くんがどういう状況だったのかはわからんけど、気が付いたら後ろにいたりすることがあるからね。豊くんのことは僕も心配やったからメールを入れたんやけど、「まぁボチボチやりますわ」みたいな感じやった。年齢が年齢やからね、慌てないでいいでしょう。骨折じゃなくてよかったし、たぶん完璧に治してから戻ってくるんちゃうかな。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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