【京都2歳S予想】勢力図が不透明な今年の2歳世代から特注馬は現るか
甲乙つけ難いメンバー
かつての「ラジオNIKKEI杯2歳S」を継承する形になった12月のホープフルS2000m(中山)がGII→GIとランクアップした結果、現在GIIIのラジオNIKKEI杯京都2歳Sは後のGIと結びつきが薄れた。2018年の3着馬ワールドプレミア「翌年の菊花賞馬。5歳時には天皇賞(春)制覇」のような活躍馬もいるが、例年のレベルはそうは高くない。ただ、今年の2歳世代の勢力図は例年以上に不透明。このGIIIから特注馬が出現して欲しい。
シンエンペラー(仏産)は、欧州から移籍してビヴァリーD.Sなど米の芝G1を7勝した牝馬シスターチャーリー(愛産)の半弟。2020年の凱旋門賞、2019年の仏ダービーなどG1・3勝馬ソットサス(仏産。父Siyouniシユーニ)の全弟でもある。
父母両系ともに欧州色の濃い血統。シユーニ産駒は距離をこなすので、ここで再び時計勝負に対応できると展望が広がる。前走の東京芝1800mの新馬戦では、上がり3ハロン「11秒9-11秒1-11秒0」の高速決着を、自身は上がり33秒8で3馬身差の圧勝だった。欧州系のパワー型ではなく、最終追い切りの動きもいい。J.モレイラ騎手を配してきた。
甲乙つけ難いメンバーなので、相手は絞れないが、遠征する東のルカランフィーストの父イスラボニータは、皐月賞馬。日本ダービー2着など3歳秋まで【6-2-0-0】だった。3代母クイーンモード(愛)はOペリエ騎手で仏ヴェルメイユ賞2400mを勝っている。前走、競り勝った最後の2ハロンは11秒0-11秒0だった。
人気のサトノシュトラーセ(父ジャスタウェイ)と、伏兵ホウオウプロサンゲ(父キズナ)の牝系はともにドイツ血脈。2頭ともに底力を秘める成長力に期待できるが、日本向きなのはサリオス、マンハッタンカフェ、ブエナビスタ…などと同じ一族に属するホウオウプロサンゲか。半兄に3冠「2、3、3」着のヴェロックスがいる。
もう1頭は、入念な乗り込みで再鍛錬してきた札幌2歳S2着のパワーホール。この5頭をシンエンペラーの相手本線に選びたい。