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【ユーザー質問】「調教師試験を受けようと思ったことはある?」小牧太騎手の躊躇ない回答とは…!?

  • 2023年12月12日(火) 18時01分
太論

▲まずは先週の振り返りから(撮影:桂伸也)


土曜日の赤穂特別に出走したワンダーブレットは13番人気という低評価を覆し、勝ち馬からコンマ4秒差の5着と大健闘。もともと「力はある」と言い続けてきたワンダーブレットだけに、「その力を発揮できるよう、いろいろ工夫をしながら考えて乗った」と振り返ってくれました。

さらに、ユーザーからは「調教師試験を受けてみようかなと思ったことはありますか?」という質問が。これには、躊躇なくキッパリと答えた小牧騎手。はたしてその答えとは!?

(取材・文=不破由妃子)

ヤルキゲンキフトシの2戦目はダート!「素軽くていい動きやった」


──赤穂特別(12月9日・阪神10R)のワンダーブレットは5着。最後の最後まで上位争いに加わって、見ているほうも力が入りました。

小牧 久しぶりに頑張ってくれたね。頑張ったというか、僕も一応考えて乗ったから。被されんように、内に入らんように乗っていったら、ああやって本来の力を発揮できるんやね。

──パトロールビデオを見て思いました。小牧さんがこの馬でやりたい競馬はこれなんだなと。

小牧 現状はこれやね。前に行く競馬で勝ち上がってきた馬やけど、今は前に行ったら行ったで失速してしまうから。中団から行くにしても、ほんの少しのことで怯むし、長いこと砂を被ったりすると嫌がるしで、道中もいろいろ工夫してるんですよ。砂を被らんように、ちょっと外目に出してみたりとかね。まぁ改めて力があるところを見せられてよかったわ。

──そういえば、ゲートのなかでいつになく頭をブンブン振ってませんでした?

小牧 あれはいつもです。癖やね、たぶん。パドックとかでも振ってるよ。いつものワンダーブレットです。

──グレアミラージュも前回5着でしたし、次は除外を気にせず、目標を定めてレースに挑めますね。

小牧 少ない乗り馬のなか、権利を取るのと取らないのでは全然違うね。ああ、次に乗る馬がいるわって安心感がある。もう絶対に決まっているわけやからね。

──そのレースに照準を絞って馬の体調も合わせられますしね。

小牧 そうやね。それが大きい。グレアミラージュは今週の中京で使うみたい。あと、今週はヤルキゲンキフトシも使うよ。日曜日にCWで乗ったけど、だいぶ素軽くなっていて、いい動きだった。阪神か中京かまだわからんけど、今度はダートの1800mを使います。ダートで変わってくれたらいいんやけどね。

──もともと「ダートのほうがよさそう」とおっしゃっていましたし、今度こそ本領発揮となってくれれば。

小牧 ホンマやね。もう残りわずかやから、今年も。なんとかひとつ勝ちたいねぇ。エージェントの淨閑さんも毎日トレセンにきて、エージェント同士で交流を深めたりして頑張ってくれてるんやけど、なかなか難しいわ。まぁ年齢との闘いは、プロスポーツ選手にとって付き物みたいなもんやけどね。今年はなんせケガもなんにもなく、1年間無事に過ごせたのがいいね。あ、コロナに罹ったか(苦笑)。

──私も忘れてた…。

小牧 それが唯一のアレやな。そういえば最近ね、口内炎がひどくて。最初は左にできたと思ったら、今度は右。むちゃくちゃ痛いねん。ビールを飲むのもしんどいくらい。

──それは重症(笑)。

小牧 体も動かしているし、栄養のあるものばっかり食べてるし、よう寝てるし。免疫力が落ちてることはないと思うんやけどなぁ。病院にも行ったけど、薬を塗っても簡単には治らへん。

──ストレスが溜まっているサインだったり。

小牧 いやいや、僕にストレスなんてないでしょう(笑)。痛くて食べるのがつらいから、体重も増えんわ。でも、やっと昨日あたりからマシになってきた。ようやくしっかりアルコール消毒できるわ(笑)。

──では、最後にユーザーからの質問をひとつ。「秋山騎手と田中勝春騎手が調教師試験に合格されました。勝春さんは小牧さんと同じ50代ですが、小牧さんは調教師試験を受けてみようかなと思ったことはありますか?」

小牧 ないです。一度もない。考えたこともない。だって僕、36歳で中央に入ってきたんやで。必死に乗っていたら、アッという間に40代半ばになってた。

──確かにそのあたりは、最初から中央でデビューした人とは時間の感覚が違いますよね。

小牧 うん。気づいたら40代半ばという感じで、その時点ではまだまだ次の道に進むことなんて考えられへんかったし、むしろ、ここまできたら最後までジョッキーとして頑張らなと思ったから。それに、仮に今から調教師試験の勉強を始めたとして、何度目かの挑戦で受かったとしても、その時点でもう60歳やん。定年まで10年しかないもんね。その10年のために今から必死に勉強…。ちょっと考えられへんね。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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