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【有馬記念・阪神C予想】有力馬の調教内容をジャッジ! 最強馬イクイノックスの次の座を狙う豪華メンバーが集結

  • 2023年12月20日(水) 18時00分

好メンバーの中、調教内容がよかった馬は…


 いよいよ、今週は有馬記念。イクイノックスの引退で「最強馬」の参戦はありませんが、むしろ、次にその座を狙う馬を決める一戦になるんじゃないかというくらいの豪華メンバーが集まりました。だからこそ、馬券的には妙味が出てくるでしょうし、買う点数はなかなか絞れないかも知れません(笑)

 この時期になると、多方面から「有馬、なにがええの?」と聞かれますが「好きな馬買ったらええよ」と答えたくなるのが今年のメンバー。本当にそう思っていますが、さすがに予想家という立場ではそういうわけにはいきません。◎候補は2頭まで絞ったので、あとは後悔のない方を選ぼうと思います。

【阪神C/ママコチャ】

 1週前追い切りがCW、最終追い切りが坂路というのは、3歳時の1勝Cを勝った時から続けられているパターン。1週前に併せ馬を課す課さないはその時期によって違いますが、今回は前走と同じく単走。ただ、時計は6F80.8秒、3F36.7秒と速くて、数字的な負荷は十分といってよいでしょう。

 最終追い切りは坂路4F52.5秒。これはGIを勝った時の最終追いと同じ時計。4F目最速ラップを踏むことはできませんでしたが、しっかりと動いているのは間違いなく、あとは調教VTRで実際の動きを確認してみたいなと思います。

調教Gメン研究所

しっかりとした動きを見せたママコチャ(12月19日撮影)


【有馬記念/ジャスティンパレス】

 最終追い切り、坂路での動きはまだ確認していないのですが、その前に見た姿は毛艶がピカピカで、いかにも体調が良さそうな雰囲気。実際、最終追いのラップは4F目が最速になる踏み方ができていますし、これは前走とは大きく変わった点になるので、ここは高く評価すべきだと思います。

 ただ、中間のCWでの追い切りのラップの踏み方は春のようなきれいな加速ラップではありません。前走、前々走のレースから前半脚をためて、後半ドンというレースの方がパフォーマンスが上がっているとも判断できます。だから追い切りはその走り方ではないから加速ラップではなくなったのかも知れませんが、ちょっと気になる部分ではあります。

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中間の追い切りラップが少し気になるジャスティンパレス(12月19日撮影)


【有馬記念/ドウデュース】

 天皇賞(秋)よりも走りに落ち着きが出たと解釈できた前走のジャパンC。レース前のパドックはモニター確認でしたが、やっぱり落ち着いていると思っていて、それを翌週に友道康夫調教師に確認すると「全然違っていた」とのこと。それで4着という結果をどう判断するかですが、個人的には4コーナーの動きひとつで2着はあったと思っています。

 ただ、それでもここで勝つことができるかどうかという素晴らしいメンバー。前走以上のパフォーマンスが要求されると思いますが、それが可能だと思った1週前追い切りのCWでの動き。武豊騎手が跨ったこともあると思いますが、最後の直線での体の沈み方はこの秋一番でした。

 そして、最終追い切りは派手なパフォーマンスにこそなりませんでしたが、3F35.4秒(自分での手動計測)はDPの最終追いで自己ベスト。ゴールを過ぎたところでは相手を一瞬で突き放していく伸びを見せており、あの動きは中山の最後の直線で大外から一気に伸びてくるイメージです。

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1週前追い切りでこの秋一番の動きを見せたドウデュース(写真左、12月20日撮影)


【有馬記念/ハーパー】

 前走エリザベス女王杯を使った後から、ここを目標にプランがあったようです。前走は1週前追い切りが坂路。オークスも秋華賞も1週前追い切りがCWでしたから、それが違っていた前走は3着でもちょっとパフォーマンスが落ちたかなと思います。

 今回は1週前追い切りがCW。3頭併せでしっかりと負荷をかけていて、これはパフォーマンスを上げる要因になりそうです。最終追い切りはCWで内目を回って速い時計。レースイメージとしては内枠を引いて、タイトに立ち回って、ひょこっと上位へ。よって、枠順は重要なポイントになると思います。

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枠順が重要なポイントになりそうなハーパー(12月20日撮影)


【有馬記念/プラダリア】

 青葉賞以来の勝利となった前走の京都大賞典。その最終追い切りがCWだったので、3歳の時とは少し好走パターンが変わってきたといってよいと思います。それを引き継ぐ形になったのか、今回も最終追い切りはCW。そして、先週に引き続き、B.ムルザバエフ騎手が跨るというパターンも前回と同じです。

 ただ、前走と違ったのは6F時計。80.3秒は非常に速く、道中の走りを見ていても、きっとこのくらいでは動くんだろうなという意欲的な内容だったことは間違いありません。調教内容としては素晴らしいと思えるだけに、あとはレース間隔が前走とは違う、これがポイントになりそうです。

調教Gメン研究所

前走と違うレース間隔がポイントになりそうなプラダリア(12月20日撮影)


◆次走要注意

・12/16 中京2歳S【クリスアーサー】(4人/1着)

 初戦が1400mで惨敗していますが、CWでの追い切りラップは決してスプリンターではありません。今回も今後の路線を意識したレースを試みましたが、見事に結果を出しました。脚をためて走ることができるタイプではないと思いますが、少なくともあと1Fの距離延長は可能です。

[メモ登録用コメント] [芝1400m]最終追い切りがCWでラスト1Fが最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1400m>
◎週末追い切り以降に坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りが坂路馬場で3F目12.5秒以下

 2021年、2022年の阪神Cの連対馬はいずれも◎に該当していました。先週の3勝クラス、六甲アイランドSも人気決着ではありましたが、1着と2着でした。これは必須だと思いますが、CWでの時計の出し方も重要だと思うので、そのあたりはウマい馬券でしっかりと考察していきたいと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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