【有馬記念予想】今年を締めるグランプリ 注目すべき二つのポイントとは
今年は過去最多の牝馬が出走
数々の名勝負が重なる有馬記念にはさまざまなポイント(視点)があるが、その年にふさわしいポイントを探したい。
牝馬の時代が訪れたのは十数年前からのこと。ジャパンCは最近15回の勝ち馬のうち7頭が牝馬。また、海外だと凱旋門賞は最近15回のうち、勝ち馬8頭を牝馬が占める。しかし、有馬記念では過去15年、牝馬の勝ち馬は4頭のみ。他のビッグレースより少ない。
ところが、今年はグレード制が成立した1984年以降の40年間で最多の6頭も牝馬が出走する。この40年間に牝馬が5頭(最多)出走したことは4回あるが、うち3回の勝ち馬は牝馬。そのうち2020年は「牝馬=牝馬、4着も牝馬」だった。6頭も牝馬が出走する今年はチャンス十分ではないか。
もうひとつは、血統背景。過去67回の有馬記念では、サンデーサイレンスやブライアンズタイムが代表したヘイルトゥリーズン(祖父ロイヤルチャージャー)系種牡馬の産駒が、実に4割を超える28勝を記録していることは知られる。
その中でも近年の特注種牡馬は「人びとの心が読める」とされたステイゴールド。自身の有馬記念成績は【0-0-1-2】にすぎないが、その産駒はドリームジャーニーが1勝、オルフェーヴルが2勝、ゴールドシップが1勝。短期間に計4勝もしてみせた。2着にはオーシャンブルーもいる。
決してエース種牡馬でもなかったステイゴールドだが、産駒の有馬記念4勝は、その父サンデーサイレンスの5勝に次ぐ史上2位。また、同じファン投票の宝塚記念(夏のグランプリ)では、歴代トップの5勝を記録している。
ここまでは少なかったが、今年は種牡馬ステイゴールド直父系の「孫世代」産駒が有馬記念に3頭も出走する。
中でも最有力は、宝塚記念2着のあと、海外(凱旋門賞)遠征で体つきや鋭さが一変している牝馬スルーセブンシーズだろう。
父ドリームジャーニーは有馬記念だけでなく、宝塚記念も制している。グランプリ種牡馬とまで評されたステイゴールド。そのタフな勝負強さを受け継いだドリームジャーニーの牝馬スルーセブンシーズが、有馬記念に合わないはずがない。ライラックも少し買いたい。