東西の金杯で思い出す馬は
新春競馬は、新たな気分のまま浮き立つ思いで迎えることが多い。東西の金杯でこの一年を占うようなこともしたことがあったが、今では、そういう大それたことではなく、ちょっと運試しぐらいで好きなようにやることにしている。
様々な経験を積んだ歴戦の古馬と、新しい戦いの場をと登場したばかりの4歳馬たちが戦うハンデ重賞だから、どんな考え方も出来る。
中山金杯で初重賞制覇を達成した馬で思い出すのが、9年前のラブリーデイで、14回も挑戦して勝てなかった重賞を、5歳になったばかりのここで豪快な末脚を決めレコードタイムで圧勝していた。
一方の京都では、4歳を迎えたばかりの4歳馬ウインフルブルームが前走のチャレンジC大敗にめげず思い切って逃げ、しぶとく粘って勝利し、年明けは年長馬という宣託をくつがえしていた。
この2頭は、4番人気と5番人気。ハンデは、57キロと55キロだった。もしかしたらと考えてもいい情況だったが、東西の金杯には、こうした微妙なところに勝敗の分かれ道があるようだ。
今年の中山金杯では、これまで目立ったところのなかった牝馬に注目してみた。
オークス以来ずっとレースを遠ざかっていた4歳牝馬ゴールデンハインドだ。2走前のフローラSで先手を取って粘りを発揮して勝っていたが、オークスでは5番手で控える形になり、直線では伸び切れず11着に終っていた。
故障から立ち直って出直すここでは、先行して本来のレースをと考えているようで、54キロのハンデを生かして健闘できると思っている。
一方の京都金杯は、長く脚を使えるタイプが合うマイル戦。直ぐピンときたのが、ディープインパクト産駒のドーブネだ。
重賞初制覇を担う5歳馬だが、ポートアイランドS、キャピタルSとマイルのリステッド競走を連勝して勢いに乗っている。重賞は5度目だがこれまで無理せずやってきた。
セールで4億を超える高額で落札された期待馬にようやく春が訪れると期待してみたい。
今年は、新風を吹き込む3歳馬の重賞が開幕週にある。この重賞を手に弾みをつけたい、その先を見すえる為の結果を残したいと、その思いに寄りそう馬を選んでみたい。
中山のマイル戦、外回りのタフなコースの牝馬のフェアリーSは、重賞大敗からの巻き返しもあって実績にとらわれないレース。
長く脚を使うタイプではないというラヴスコールを狙ってみる。札幌の小回りで勝った経験からも前走の東京より走りやすい筈だ。3戦目、直線の急坂もプラスに効くと見た。
そして京都のシンザン記念。その後のタイトル馬を多く輩出しているが、ここは評判の新種牡馬スワーヴリチャード産駒のショーマンフリートに期待したい。
キャリア1戦だが、その新馬戦は3番手から鮮やかに2馬身半抜け出して快勝していた。パワフルな走法で加速力もある馬で将来性も十分だ。開幕週の4重賞は、目をつけた4頭の単複で、運試ししたい。
「金杯で 乾杯できて 良き年に」