【共同通信杯予想】スケジュール重視のローテに落とし穴? 伏兵にもチャンスありの一戦
皐月賞に直結する重要ステップだが…
共同通信杯の重要性は知れわたっている。このレースから皐月賞に直行して勝った馬が、2012年のゴールドシップ以降の最近12年間に6頭もいる。そこで3連勝中の注目馬ジャンタルマンタル(父パレスマリス)もこのあと皐月賞に直行の予定。
3連勝中のジャンタルマンタルは文句なしの有力馬だが、先週4日の「きさらぎ賞」では1着ビザンチンドリーム、3着シヴァースが新馬勝ちの1戦1勝馬だったように、各馬ともに出走レースを絞る近年は、なかなか勢力図が描けない。この共同通信杯でも新馬勝ち直後の馬が最近4年連続して馬券圏内に食い込んでいる(計5頭)。
中心馬の心配な点を考えるなど決していいことではないが、スケジュールが大切になった近年、朝日杯FS(旧朝日杯3歳S)と共同通信杯を続けて勝った馬は、1994年のナリタブライアンが最後になる。
また、3歳になると朝日杯FSの勝ち馬の路線は分かれるので、その判断は難しいが、朝日杯FS勝ち馬の過去20年間(2003〜2022年)の3歳になった初戦の成績は[2-7-4-7]。勝ち馬は2頭にとどまっている。
伏兵にもチャンスがありそうだ。ベラジオボンド(父ロードカナロア)はかなり珍しい配合型でキングマンボの「3×3」。先行して上がり33秒9でスパートした新馬戦で示したようにレース巧者だ。ロードカナロア産駒は勝ち上がったあと相手強化を苦にせず、たちまちオープンで快走する馬が、他のエース種牡馬より多く存在する(京都記念に出走するベラジオオペラも早々と3戦目に重賞を制した)。
強敵はもちろん、自在性を備えるジャンタルマンタルだが、未勝利戦勝ちのフォスターボンド(父キズナ)は怖い。東京2000mを2戦して、ともに上がりは33秒台。大跳びのフットワークはこの東京コースでこそだ。
「京都記念」は2着が連続している5歳牝馬ルージュエヴァイユ(父ジャスタウェイ。母の父フランケル)から入りたい。決して非力ではなく、ちょっと詰めが甘いだけ。現在の京都の芝は合う。祖母は2011年の凱旋門賞を独走したデインドリーム。直仔は案外だったが、孫の世代になって真価発揮が始まっている。