【フェブラリーS予想】大いなる挑戦“ダートの怪物”の再来なるか
クロフネの血を持つガイアフォースに期待
初のダート挑戦になるガイアフォースに期待する。もちろん死角は大きい。1997年からGIになったこのレースを、初ダートで馬券圏内だったのは、2001年に3着し、続くドバイワールドCを2着したトゥザヴィクトリー(カラテの父トゥザグローリーの母)だけだ。
だが、かつてと異なり近年のエース級種牡馬や期待の繁殖牝馬は、その大半の血脈がアメリカ育ちであり、一部の特別なタイプを別にすると、ダート競馬をこなす下地がある。
また、日本のダード競走体系も変化したが、世界のそれも同じで、レモンポップやウシュバテソーロなどが遠征している今年、必ずしも最強馬の対決でもない。
ガイアフォースは、人気のウィルソンテソーロと同じキタサンブラック産駒。母方の3代前にフレンチデピュティが登場し、カロ系の血がベースにあるなど、配合形に似たところもある。母の父クロフネ(その父フレンチデピュティ)は、3歳秋の2001年、天皇賞(秋)に出走がかなわず武蔵野Sダート1600mに出走すると、「大丈夫か? 人気になりすぎ」などといぶかられたが、驚きの独走で1分33秒3(9馬身差のJRAレコード)。続くジャパンカップダート(現チャンピオンズC)も再びJRAレコードの7馬身差で2分05秒9。歴史的なダートの怪物だった。
クロフネ(2021年に23歳で他界)は、2007年から12年連続して総合種牡馬成績10位以内。JRAのダート限定種牡馬ランキングは1位2回を含め12年連続3位以内だった。現在は9年連続して母の父ランキング10位以内を続けている。
そのクロフネの活躍産駒はソダシを筆頭に大多数が牝馬。母の父となってもクロノジェネシスなど牝馬が上位に並んでいる。そのため、フェブラリーSも、チャンピオンズCも、直仔や孫世代が勝ったことがない。
実はここが最大の死角だが、ガイアフォースの母ナターレは、クロフネの送った活躍牝馬の1頭。地方重賞5勝を含め公営ダート23戦7勝。芝でも盛岡1700mのレコード勝ちを含め2戦2勝。USA系牝馬らしいスピード能力があった。
ガイアフォースは芝1600mに2回出走して、ソングラインや、シュネルマイスターと接戦の1分31秒5と、1分31秒6。2000m級もこなすが、本当はトップマイラーである。ダートでも好位追走がかなうとき、芝以上の能力全開があって不思議はない。