【弥生賞予想】少頭数も世代屈指の顔ぶれ クラシックへ注目の一戦
血統からは更なる良化への期待も
例年通り多頭数ではないが、高速馬場が多かったため1分59秒台の最高タイムを持つ馬が3頭もいる。超高額で取引された馬もいる。弥生賞らしい好カードになった。
中でも、これから成長速度を上げるはずのシンエンペラー(父シユーニ)に期待したい。前走、牝馬のレガレイラに負けたのはショックだが、前々走の1分59秒8に続き、前走も2分00秒3。この時計は、ホープフルSがGIになった2017年以降のレースレコードに相当する。
レース全体のペースは「60秒0-60秒2」。飛ばす馬がいれば流れはもっと速くなり、全体の時計も速くなったはずだが、キャリアの浅い2歳馬がバランスのとれた2000mの流れで結果を出すのは意外に大変なこと。
これまで2017年以降のホープフルSが前後半ともに「60秒台」の息の入れにくい流れになったのは、コントレイル(のちの3冠馬)が勝った2019年と、キラーアビリティが勝ち、ジャスティンパレス(23年春の天皇賞馬)が2着した2021年の2回だけ。今回が3度目だった。
シンエンペラーの半姉シスターチャーリー(2014年生まれ)の仏オークス2100m2着は5戦目だった。同じく半姉マイシスターナット(2015年生まれ)のG1初挑戦は6戦目。全兄ソットサス(2016年生まれ)が2100mの仏ダービーをレコード勝ちしたのは5戦目であり、凱旋門賞制覇は4歳の秋だった。
父シユーニが3歳春のクラシック仏2000ギニーに挑戦できたのは使いつつ良化した8戦目のこと。使いつつ良くなる血統背景を持つタイプとすれば、シンエンペラーのここまでの3戦はまだ成長途上。それに2歳11月から連続して3戦、ホープフルSは疲れが出ていた危険も否定できない。
今回は入念に乗って立て直してきた。欧州タイプながら重苦しいところはまったくなく、シャープな身のこなしも光っている。これからクラシックに向けてさらに成長する可能性がある。相手はきわめて強力。ダノンエアズロック、トロヴァトーレ、ファビュラススター本線に、穴馬は好調教のアドミラルシップ、大穴はエコロレイズ。