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【サウジCデー回顧・後編】着差が着差だけに情けない──ウシュバテソーロのサウジCと海外のトップジョッキーたちとの交流を語る【月刊 川田将雅】

  • 2024年03月08日(金) 18時02分
“VOICE”

▲「勝たせてあげられなかったという事実が情けない」サウジCを回顧(撮影:高橋正和)


2月24日にサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われたサウジ国際競走。川田騎手は計3レースに騎乗しました。

後編となる今回は、ウシュバテソーロと挑んだサウジCの回顧。惜しくもゴール寸前でセニョールバスカドールに捕まってしまった結果に何を語るのか──。

その他、SNS等でも話題となったR.ムーア騎手とのツーショット写真の経緯や、海外での“騎乗停止ルール”についても言及しました。

前回はこちら▼
【サウジCデー回顧・前編】思いが溢れたゴール前──リメイクとともに駆け抜けた最高の瞬間【月刊 川田将雅】

(取材・構成=不破由妃子)

「差されたことはもちろんわかっていた」サウジCの惜敗を振り返る


──サウジCのウシュバテソーロはアタマ差の2着。負けてしまったとはいえ、改めて強い馬だなと思わせてくれる走りでしたね。

川田 着差が着差だけに…。勝たせてあげられなかったという事実が情けないですね。ただ、ウシュバ自身は全力の走りをしてくれて、改めてワールドクラスであることを証明してくれたと思います。

 想定していたより具合も良くて、気持ちもすごく前向きで。本当にいい状態で競馬を迎えてくれました。不慣れなワンターンではありましたが、僕が「そろそろだよ」と伝えたら理解してくれて、最後まで気持ちを切らすことなく全力で頑張ってくれて。なんとか(3着の)サウジクラウンは捕まえられたのですが…。捕まえたところで、後ろから捕まるという形になってしまった。

“VOICE”

▲ウシュバテソーロ(右)の外からセニョールバスカドール(左)が強襲(撮影:高橋正和)


──ゴールした瞬間、差されたことはわかったのですか?

川田 もちろんです。ジョッキーカメラを見てもらうとわかると思うんですけど、直線の大半は内側のほうを気にしながら乗っていて、ゴールの少し前に一瞬だけ外、右に視線が切り替わるタイミングがあるんですよ。で、そこからゴールまでは、ずっと下を向いて追っている。

──右に視線を切り替えたというのは…。

川田 気配を感じたから。感じて、確認して、勢いでは向こうが勝っていることがわかったので、なんとかゴールまで粘り込めるよう、より真っ直ぐ走ることに特化して、ウシュバの動きをもうひとつ作るという作業に切り替えた。

──それが下を向いてからの時間ということですね。

川田 そうです。ウシュバは最後まで本当によく頑張ってくれたんですけど、残念ながら勝ち切ることはできなかった。心身ともにいい状態で競馬を迎え、しっかりと走り切ってくれたのに。だからこそ、勝たせ切れなかったことが本当に残念です。それとひとつ、(坂井)瑠星の騎乗停止について、言及しておきたいことがありまして

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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