ハイアベレージな“キズナ×ダンジグ” 血統面からも国枝師悲願の牡馬クラシック制覇への期待が高まる
血統で振り返るスプリングS
【Pick Up】シックスペンス:1着
母にダンジグのクロスを持つキズナ産駒は、出走9頭中5頭が勝ち上がるハイアベレージ。本馬のほかに、ボルザコフスキー(阪急杯-5着)、スパイラルノヴァ(オープンクラス)、オンリーオピニオン(札幌2歳S-4着)など、コンスタントに活躍馬が出ています。連対率29.7%、1走あたりの賞金額379万円は、キズナ産駒全体の19.4%、214万円を大きく上回ります。この配合パターンは中山芝コースで連対率47.1%。中山芝1800mに限ると連対率57.1%、複勝率85.7%と驚異的です。
現3歳限定の種牡馬成績は、勝利数、獲得賞金の双方でキズナがトップ。初年度産駒が3歳春を迎えたときに種付けをした世代なので、繁殖牝馬の質・量ともにハイレベル。それが結果に結びついています。種牡馬成績の大きなカギを握るノーザンファームの生産頭数は、前年比3倍以上に増加しており、重賞を勝った3頭、クイーンズウォーク(クイーンC)、ジャスティンミラノ(共同通信杯)、そして本馬は、いずれも同牧場の生産馬です。本馬の母フィンレイズラッキーチャームは、マディソンS(米G1・ダート7ハロン)を含めて重賞を5勝しており、質の高さはさすがといえるものです。1ハロンの距離延長も問題ありません。
血統で振り返るフラワーC
【Pick Up】ミアネーロ:1着
ファンタジーSを勝ち、牡馬相手の朝日杯FSで1番人気(着順は4着)に推されたミスエルテ(父フランケル)の半妹。きょうだいは本馬を含めて6頭デビューし、すべて勝ち上がっています。母ミスエーニョはアメリカでデルマーデビュータントS(G1・オールウェザー7ハロン)を勝ちました。
ドゥラメンテ産駒は東京芝2400mで連対率32.1%。2014年以降、東京芝2400mで産駒が20走以上した35頭の種牡馬のなかでナンバーワンという好成績です。オークスは22年スターズオンアース、23年リバティアイランドと連覇しています。ミアネーロがもしオークスに駒を進めるようなら血統的に注目です。
知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【ブラッシンググルーム】
2歳時にフランスで4つのG1を制覇し、3歳時には仏2000ギニーを勝ちました。自身はマイラーでしたが、種牡馬としては多彩な産駒を出し、アラジ、ナシュワン、レインボークエスト、スカイビューティなど、芝・ダートを問わず幅広い距離で大物を出しました。1989年には英愛チャンピオンサイアーとなっています。
母の父としても素晴らしく、日本ではテイエムオペラオー、マヤノトップガン、ヤマニンゼファーといった大物が出現しました。
フランケル、ジャイアンツコーズウェイ、キャンディライド、ダンシリといった名種牡馬は、自身の血統にブラッシンググルームを抱えています。ブラッシンググルームとニジンスキーの組み合わせは有名なニックスで、日本でも海外でも多数の名馬が誕生しました。
血統に関する疑問にズバリ回答!
「レート140のフライトライン産駒ってどう見てる?」
2021年から翌年にかけてBCクラシックを含めて6戦全勝。すべてが圧勝で、2着馬との着差は1戦あたり12馬身弱。米年度代表馬に選出されました。
3年連続米チャンピオンサイアーのタピットが父、アンクルモーの父として知られるインディアンチャーリーが母の父。スピードと心肺機能がずば抜けており、血統的に不安と思える点はなく、繁殖牝馬の質も最高クラス。おそらく高確率で成功するでしょう。
馬体はアメフト選手のような馬力型ではありません。品の良さを感じさせる柔軟な馬体なので、配合次第で芝馬も出るでしょう。距離は万能です。