▲「木曜日のために、先週から体を作ってるんですわ」(撮影:桂伸也)
先週の日曜日は、フチサンメルチャンとともに久しぶりに中山に参戦した小牧騎手ですが、13着という残念な結果に。「あんなに引っ掛かったのは初めてやった」と振り返り、障害の練習を挟んだことによる影響について言及しました。
そのレース回顧に加え、今週は楽しみな報告が。今週の木曜日、久しぶりに園田に参戦することが決定! その日はJRAの交流戦とメインの重賞を含め、計6鞍に騎乗するとのこと。太ファンにはたまらない1日になりそうです!
(取材・文=不破由妃子)
1日6鞍に戦々恐々⁉ 今週木曜日は久しぶりに園田に参戦!
──先週日曜日のフチサンメルチャンは13着。初めての中山だったとはいえ、あんなに負ける馬ではないような…。
小牧 メルチャンね、ものすごく引っ掛かったんですわ。もともと一生懸命走る馬やけど、あんなに引っ掛かったのは初めてやった。途中で持ち切れんところもあって、そのままだと前の馬に乗っ掛かりそうやったから、外に逃げましたもん。
──そうでしたか。思い当たる原因はあるんですか?
小牧 やっぱりちょっとね、障害の練習をした影響があるのかも。厳しい練習をしたから、ちょっと気が立ってるのかもしれん。調教の動きもいいし、具合は間違いなくよかったから、もうちょっと折り合いをつけられたら、あんなに負けることはなかっただろうなぁと思ってね。かわいそうな乗り方をしてしまった。
──今回の競馬は度外視したほうがよさそうですね。
小牧 うん。今後はいったん放牧に出ます。馬主さんが、やっぱり障害を諦められないみたいでね。いったん出して、障害の練習をさせるみたい。だから、今後はそれ次第やね。
──小牧さんご自身も、久々の中山だったのに。
小牧 せっかく中山まで行くんやから、「目指せ掲示板」という気持ちでいたんやけど。最終レースだったから時間はたっぷりあって、汗取りをしながら体を作って備えてた。
──小牧さんの気持ちを思うと、胸が痛い…。
小牧 帰りは新幹線のなかでビールとハイボールを飲んで、“ひとり残念会”をしながら帰ってきたんやけど、飲みすぎたぶんだけ赤字になった(苦笑)。でも今週はね、ちょっと楽しみなことがあって。何年かぶりに園田に乗りに行くんですわ。
──そうなんですね!
小牧 うん、木曜日ね。牧田厩舎のヴァリエンテシチーっていう馬の依頼をもらったんやけど(10R・JRA交流 水晶山特別)、その日はメインが重賞(ネクストスター西日本)で、同期の田中守が高知から馬を連れてくるんですわ。で、その馬の依頼ももらって。リケアサブルという馬で、前回は吉原(寛人騎手)が乗って兵庫ユースカップっていう重賞を勝っている馬やからね。
──チャンス到来ですね。
小牧 1頭、佐賀のトゥールリーっていう強い馬がいるんやけど、チャンスはあると思う。最初に「ほかにも依頼を受けてもいいか」と聞かれて、「乗れるだけ乗るわ」と返事をしたら、そのほかにも2Rのメイショウマサカリ(小牧毅厩舎)、6Rのメメニシコリ(土屋洋之厩舎・馬主は曾和栄司氏)、9Rのバルドルブレイン(田中一巧厩舎)、12Rのツーエムアリエス(永島太郎厩舎)の依頼をもらってね。久しぶりに1日6頭乗りますわ。
──腕が鳴りますねぇ。
小牧 最近は1日1鞍しか乗らない日が多くて、全然乗り足りてないからね。まぁ今の自分がどんなもんか、小牧太、まだまだいけるのか。自分を試す1日にもなるね。だからぜひ、『太論』で宣伝しておいてください。「全国50万人の小牧太ファンのみなさま、平日ではありますが、ぜひ見に来てください」って(笑)。
──しっかり書いておきます(笑)。
小牧 あとその日はね、10Rの交流以外は、20年ぶりに兵庫在籍時の勝負服を着て乗ります。
──それは往年のファンにとってうれしいサプライズ!
小牧 重賞もその勝負服で乗せてくれるらしい。本来は馬主さんの勝負服があるらしいんやけど、馬主さんが「ぜひ小牧さんの勝負服で」って言ってくださってね。
──いやぁ、いろいろと楽しみだ。
小牧 なんせ同期の田中守とコンビを組むのは初めてやから、いい競馬をせんと。最近はちょっと楽をしていたから、体重が1キロ増えてね。木曜日のために、先週から体を作ってるんですわ。1日6鞍なんて久しぶりやから、疲れるやろうなぁ。
──6鞍くらいへっちゃらですよ、小牧さん。
小牧 だといいけど(笑)。ひかりがバレットできてくれるしね。乗せてくれる人たちのためにも、精一杯頑張ってきますわ。
(文中敬称略)