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【祝・重賞制覇!】「まるで中央のGIを勝ったときみたい」園田で吹き荒れた“小牧太旋風”

  • 2024年04月02日(火) 18時01分
太論

▲大応援団が見守る中、リケアサブルとネクストスター西日本を制した(提供:小牧太騎手)


先週の木曜日は古巣の園田に参戦し、1年半ぶりの勝利! 2Rとメインのネクストスター西日本で勝ち星を挙げ、健在ぶりを見せつけました。ものすごい数の「おめでとう」メッセージが届き、トレセンでもGIを勝ったかのような祝福を受けているという小牧騎手。今週の『太論』では、そんな幸せいっぱいの3月28日を振り返ります!

(取材・文=不破由妃子)

最初の勝利で確信「馬を動かす技術はまだまだ衰えてない!」


──3月28日は、古巣の園田に参戦。2Rを皮切りに6鞍に騎乗し、メインのネクストスター西日本を含めて2勝を挙げられました。いい一日でしたね。

小牧 そうやね。疲れたけどね、久しぶりに(笑)。でも、日頃のトレーニングのおかげか、体は思った以上に動いたよ。

──最初の騎乗となった2Rでいきなり勝利。ちょっとウルッときてしまった…。

小牧 なんでよ(笑)。まぁ1年半ぶりの勝利やったからなぁ。

──メイショウマサカリにとっても、8カ月ぶりの勝利でした。

小牧 そうやねん。弟の毅のところの馬でね。過去のレース映像とかけっこう見たんやけど、どうもズブそうな馬で。この馬で勝つのはちょっと難しいかなと思ってたんやけど、毅は「調子がいいから勝てる」って言うし、実際スタートを出たら、スッと動いて。

──まったくズブさなんて感じさせないレースでしたよ。

小牧 そう、まったく感じなかったし、いきなり強い競馬をしてくれたね。馬を動かす技術はまだ衰えてないなぁ、まだまだ乗れるなぁと自分で思った(笑)。気持ちも入っていたしね。

──1年半ぶりのトップゴール。どんなお気持ちでしたか?

小牧 えらい強いやん、と思いながら(笑)。お客さんもいっぱい入っていたし、気持ちよかったわ。

太論

▲最初の騎乗となった2Rでメイショウマサカリと勝利(提供:小牧太騎手)


──全国50万人の小牧太ファンが集結したんですね(笑)。

小牧 たくさん声援をもらいました。ありがたいことやね。売り上げも伸びてたって聞いて、僕もうれしかった。後半のレースでは、パドックで川須(栄彦騎手)の声援が聞こえたわ。

──川須くん⁉ 応援に駆け付けたんだ。

小牧 うん。加矢太もきてくれたし、エージェントの浄閑さんもね。あとは、僕が乗りにくるということで、曾和先生も久しぶりに競馬場に足を運んでくれて。

──そんな小牧太応援団が見守るなか、1番人気に応えてメインの重賞を勝利。リケアサブル、まさに横綱相撲でしたね。

小牧 強かったね。外枠がよかった。1、2コーナーでちょっと引っ掛かったけど、それも事前にわかっていたし。

──ガッツポーズするかなぁと思っていたんですけど。

小牧 いや、ここではしゃいだらカッコ悪いなと思って、あえて渋く(笑)。1番人気やったし、なんせ同期の田中守のところの馬やからね。負けられへんなという気持ちで臨んだから。

太論

▲「負けられないという気持ちであえて渋く(笑)」(提供:小牧太騎手)


──そういえば小牧さん、リケアサブルの騎乗については、ご自分で田中守さんにご連絡されたそうですね。

小牧 そうそう。昔から親しくしているトラックマンの北坊さんから、「その日は重賞があって、田中守厩舎に強い馬がおるで」って聞いて。で、田中に「乗れへんかな」と電話してみたら、その2日後くらいに「頼むわ」って返事をもらって。

──なるほど。「負けられない」という思いも納得です。

小牧 翌日の新聞にもようけ出てたね。LINEとかメールも、なんか久しぶりにすごい数のメッセージが送られてきてたわ。次の日、トレセンでも大変やった。全然話したことのない若い人たちからも「おめでとうございます、おめでとうございます」って言われて、まるで中央のGIを勝ったときみたいやった(笑)。もう数日経つけど、いまだに「おめでとうございます」って言われるよ。みんなようけ見てるんやなぁと思って、ちょっとびっくりしてる。

──田中守調教師も喜んでらしたでしょうね。

小牧 基本的にクールな男やけど、新聞に「ウルッときた」ってコメントが載ってたね。

──お祝いの一席を設けないと。

小牧 そうやね。僕と一緒で酒はよう飲むし、飲み仲間でもあるから。最近は機会がなかったけど、僕が交流で乗りに行ったときには、よう同期で集まってたよ。そういえば、同期の奴らからも「また集まって飲みたいな」っていうメールが入ってた。鹿児島の同級生からも「久しぶりに元気が出たわ」って連絡があったりね。

──小牧さんの活躍で、幸せな気持ちになる人がいっぱいいる。素敵ですね。

小牧 頑張らんとね。何より、こちらからの急な申し出にもかかわらず、騎乗を快諾してくださったリケアサブルの稲場澄オーナーをはじめ、乗せてくださった馬主のみなさんに感謝したいです。そういえば、来週の11日、また園田に乗りに行くよ。

──そうなんですね!

小牧 ああやって勝つとね、やっぱり頼んでくれんねん。調教師も頼みやすくなるのか、すぐに畑端(省吾調教師)から「太さん、園田行ってくれませんか?」って電話があって、「いいよ、いいよ」って二つ返事や。

──畑端調教師とはどういった縁が?

小牧 彼が坂口正則厩舎に所属しているころ、僕、坂口厩舎の馬にはよう乗ってたからね。そのころからの縁や。今週末は、阪神か福島でグレアミラージュが使う予定やし、来週の木曜日は、また園田で赤とグリーンの勝負服を着て頑張ってきますわ。

太論

▲11日も兵庫所属時代の勝負服での勝利に期待(提供:小牧太騎手)


(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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