【皐月賞】76年ぶりの牝馬かデータが示す実績の牡馬か
近年稀に見る大混戦は臨戦過程から考える
様々なステップから有力馬が集まり、加えて7年ぶりに牝馬が参戦した今年の皐月賞は、史上稀れな顔ぶれになった。
1月の京成杯、2月のきさらぎ賞、共同通信杯、3月の弥生賞、スプリングSをステップに出走してくるのが定番だが、その他に若駒S、すみれS、若葉S、毎日杯の出走組も加わり、さらには2年ぶりに暮のホープフルSの勝ち馬が、しかも牝馬が牡馬に挑戦するとあって、どうなるのか予測が難しくなっている。
この10年で牝馬の皐月賞挑戦は2回あり、いずれも3月のフラワーC1800米を勝って出走していたが、12着、7着に終わっていた。
今年のレガレイラは、ホープフルSがGIに昇格後初めて牝馬で優勝したのだが、それ以来の競馬で舞台が同じ中山2000米というところに心が動かされる。これまで3戦2勝、全てで上がり3Fを最速マーク、その加速力が魅力。クラシックの登録は、桜花賞、オークスだけでなく皐月賞と日本ダービーもエントリーしていたところに、陣営の期待のほどがわかる。
マイルよりこちらの才がと出走し、それ以来のレースで皐月賞馬になった2019年のサートゥルナーリア、20年のコントレイルの2頭は、4戦全勝でタイトルを取っていたが、当時は異例の臨戦過程と言われていたサートゥルナーリアの陣営は、弥生賞をステップに考えたが、この時期に中山2000米を2回走るのは東京よりハードなことと語っていた。
その翌年のコントレイルは、東京スポーツ杯2歳Sでレコードを1秒4も短縮して強さを発揮していたが、中112日の皐月賞までの期間を精神的ゆとりを持たせることをテーマに向き合ってきたと語っていて、稍重の本番でも強い馬はどんな条件でも強さを見せられるところを出したかったと述べていたのが印象的だった。
レガレイラは、ホープフルSでは出脚が鈍く、スタート後の走りがよくなかったので、その点が改善されるように調教してきたということだが、ここまでの3ヶ月半でどう改善されているか、その点が注目される。
この10年の皐月賞馬を見ると、共同通信杯をステップにしたものが5頭もいる。2月の東京の1800米で、ここから本番まで十分に間隔が取れるからだ。
今年の場合は、ジャスティンミラノ、ジャンタルマンタルの1、2着馬は、十分に資格がある。特に無敗で重賞を勝っていたものはこの5年で5勝2着2回あり、自在性のあるジャスティンミラノの2戦2勝の成績は目立っている。好位にとりつくのが巧く早いので、小回りの中山でも大丈夫だろう。
王道と言われてきた弥生賞だが、中山の2000米だから無視は出来ない。この10年、勝ち馬はいないが、2着に5頭も入っていて、その存在は目立っている。デビュー7戦目でここも勝ったコスモキュランダは一戦毎に力をつけてきた強味がある。一応、この4頭から勝ち馬をさぐりたい。
「どうしても 牝馬が目立つ この一番」