【皐月賞予想】“特定条件”満たす前哨戦組の軽視は禁物
過去にはダービー馬も…
近年のビッグレースには間隔を空けたスケジュールの勝ち馬が多い。最近10年の皐月賞では、3月のステップレースを経由した勝ち馬は、ともに人気薄だった2017年のアルアイン(毎日杯1着)と、2018年のエポカドーロ(スプリングS2着)の2頭だけ。3月に出走した2着馬は7頭いるが、それらの大半は春になっての急上昇馬だった。
2007年から3月下旬の阪神1800mになった毎日杯組は、苦しい日程なのでめったに皐月賞と結びつかない。ただ、「1分46秒5以内」の好時計で勝った馬は、これまで6頭しかいないが、決して軽視してはならない記録がある。()内は3歳時の主な勝ち鞍。
▽2008年1分46秒0 ディープスカイ(日本ダービー)
▽2013年1分46秒2 キズナ(日本ダービー)
▽2017年1分46秒5 アルアイン(皐月賞)
▽2018年1分46秒5 ブラストワンピース(有馬記念)
▽2021年1分43秒9 シャフリヤール(日本ダービー)
▽2024年1分46秒0 メイショウタバル
皐月賞に挑戦したのは17年のアルアインだけだが、勢いに乗って勝っている。ほかの馬もみんな3歳時に頂点のビッグレースを制している。
今年のメイショウタバル(父ゴールドシップ)も侮れない。重馬場なのに1分46秒0の歴代2位タイの時計で勝ってきた。前半1000m 通過59秒6でハナを譲らず、後半3ハロンは2着馬を6馬身も離して「11秒6-10秒9-11秒9」。一番苦しいはずのゴールから400-200mの1ハロンが10秒9だった。
脚をぶつけて競走除外があり、さらにフレグモーネになりかけて出走回避しながら翌週の毎日杯を独走するなど、破天荒な戦歴は父ゴールドシップ譲りだが、毎日杯で示した底力もまたゴールドシップ産駒だからだ。行きたがる心配は残るが、浜中俊騎手とは、差し切りとしぶとい逃げ切りで2戦2勝。流れに乗って折り合いたい。