【天皇賞(春)予想】約100年前の血が伝える秘められた底力
菊花賞馬の名にかけて春の盾は譲れない
天皇賞(春)ではグレード制導入の1984年以降の40年間、菊花賞馬(実質14頭)が約半分の18勝もしてきた。まず、ドゥレッツァの評価が大切。2023年の勝ち時計は京都の菊花賞で史上5位だった。
「前半1000m60秒4-中盤1000m64秒1-後半1000m58秒6=3分03秒1」。
2000m通過は2分04秒5。一旦は下げたドゥレッツァ自身の後半1000mは「58秒前後」と推定される。全体のタイム以上に中身は濃い。
《あくまで参考》
コースも馬場状態も異なるが、テーオーロイヤルが圧勝した同じ3000mの阪神大賞典は、「前半1000m63秒7-中盤65秒2-後半57秒9=3分06秒8。
2000m通過は2分08秒9。超のつくスローだった。3番手にいたテーオーロイヤルの終盤1000mの推定は「57秒3前後」と推測される。
どちらのレベルが高いかの見解は分かれるが、長距離戦としてのレベル上位はドゥレッツァの菊花賞と思える。ドゥレッツァの長距離戦は3歳限定の菊花賞だけ。体型は必ずしもステイヤーではないが、あの菊花賞はまだ6戦目だった。
ドゥレッツァの牝系は遠い時代から、多くの長距離界の名馬が日本と関係してきた。3200m当時の1967年の天皇賞(秋)を制したカブトシローの祖父オリオール(英)は、女王陛下の所有馬。同じく1975年の勝ち馬フジノパーシアの父はパーシア(英)。
1992年の有馬記念を逃げ切ったメジロパーマーの祖父で、持ち込み馬のメジロサンマン…など、みんな現代のドゥレッツァから数えると、もう10代も前の英の牝馬Aloeアロー(1926 年生まれ)が牝祖になる。
同じ一族とはいえ、あまりにも世代が離れすぎ近親馬でもなんでもないが、本当に関係ないかというと、伝統の底力を伝える基盤は健在に近い。
近年の日本が誇る至宝はディープインパクト。その3代母は女王陛下のHighclereハイクレア。そこからさらに4代母がドゥレッツァの10代前の牝祖と同じアローである。ドゥレッツァには5代血統表が示す以上のスタミナや、底力が秘められているのではないかと期待できる。
人気上位馬有利だが、伏兵にはサヴォーナ、ディープボンドを加えたい。