▲勝浦正樹元騎手が今年のNHKマイルCを解説(撮影:下野雄規)
今年4月に現役を引退した勝浦正樹元騎手。5月4日には東京競馬場で引退式が予定されています。GI・2勝を含むJRA通算967勝を挙げたベテランの突如とした発表に、多くのファンが驚きました。
そこで今回は引退の裏側と、自身が制覇したこともあるNHKマイルCの展望についてインタビュー。なんと翌週から馬券を買い、初めは「これ、意外といけるんじゃね?」と感じたそう。騎手目線での大切な馬券の要素や、今年の注目馬、気になる今後についてもたっぷり伺いました...!
(取材・文:ハツミ☆オカ)
騎手時代の夢を見るのは「変わらないですね(笑)」
──まずは引退の発表から、中山最終週のラスト騎乗までの話を聞かせてください。
勝浦 発表したのが引退の1週前と急な話でしたし、事前に報告していた関係者の方の数も少なかったので、報道が出たあとは、結構な数の方から連絡をいただきましたね。すでに決めてしまったことですし、反対されることはなかったのですが、「もう少しやれるんじゃないの」と言ってくれる方もいて。それに関しては、素直に嬉しかったですよ。
──騎手として迎えた最後の週末。どのように過ごしていましたか?
勝浦 変わらなかったですね。前の日に眠れないとかもありませんでした。騎手をしていると、検量に間に合わないとか、パドックに間に合わないなどの夢を見ることが結構あるのですが、この週末も似たような夢を見ました。そのような夢を見るのも最後かな、と思ったのですが、実際は馬場入りする夢などを、現在も見たりします。そこに関しても変わっていないですね(笑)。
▲現役最終騎乗は惜しくも2着に(撮影:下野雄規)
──騎手を引退されて、初めて迎えた週末。変わったことは?
勝浦 そこはすでに割り切っていて、辞めた翌週から馬券も買ってみました。最初はポンポンと当たって、「これ、意外といけるんじゃね?」と思いましたが、それ以降がさっぱり。結局、マイナスでしたね。
──どのような部分を見て、馬券を購入されたのですか? 1週前まで現役だった勝浦さんの着眼点を、知りたいファンも少なくないと思います。
勝浦 それがパドックや返し馬などのプロっぽいところでなく、この勝負服の馬に○○騎手が乗っているから…とか、そんな感じで馬券を買っていました(笑)。
──それは意外ですね。パドックなどを吟味するのかと思っていました。
勝浦 馬それぞれに特徴がありますし、仮に歩様が硬い馬であったとしても、それで走っているのであれば、その部分に関してはOKじゃないですか。「お尻が大きいな」とか、「走りそうな雰囲気があるな」とかは思いますけど、これまでのことも知らずに、パドックで説明することは、正直に言って難しいと思います。
騎手時代は他の騎手の騎乗馬をしっかりと見ることはなかったですし、状態や能力も馬に乗ることで把握していました。これから勉強していく部分になりそうです。