【ヴィクトリアM予想】“本物”になったナミュール 挑戦するライバル達も粒ぞろい
前哨戦では4歳馬が圧倒
GI馬は2頭だけ。例年より出走頭数も少ないが、ヴィクトリアマイルらしい好カードになった。昨秋から本物になったナミュール(父ハービンジャー)の充実もすごいが、挑戦するレベルの高さを誇る4歳牝馬は侮れない。
特にGIIの阪神牝馬Sを勝ち、続けてモレイラ騎手騎乗のマスクトディーヴァ(父ルーラーシップ)は、昨秋の秋華賞で3冠牝馬リバティアイランドの0秒1差2着。上がり33秒5は勝ち馬を0秒1上回る最速だった。
さらに、その前走のデビュー4戦目「ローズS」1800mの内容が素晴らしい。2着に下したのはそのあと古馬相手のエリザベス女王杯を制することになるブレイディヴェーグ。高速馬場だったとはいえ、記録した1分43秒0は破格のJRAレコードであり、中団から一気にスパートして先頭に躍り出た1600m通過は1分31秒2だった。
1600mの持ち時計や、前走の1分33秒0は目立たないが、本質はスピード能力にあふれたマイルも平気な中距離タイプとするなら、東京のマイルは大歓迎のはずだ。
また、このGIにつながる今年の牝馬重賞は、愛知杯、京都牝馬S、中山牝馬S、阪神牝馬S。ここに出走馬のいない福島牝馬S以外、すべて4歳牝馬が勝っている。ちょっと不振な4歳牡馬に比べ、4歳牝馬の層は厚く、レベルは高い。
牝馬GIらしく注目の血統馬が多い。強敵ナミュールは、伝説のオグリキャップの一族で、3代母は1997年の桜花賞馬キョウエイマーチ。ウンブライルの全兄は2018年のマイルCS勝ち馬ステルヴィオ。モリアーナの3代母はディープインパクトの母ウインドインハーへアの半妹。スタニングローズはローザネイから発展する名牝系の一族。
マスクトディーヴァのファミリーも見劣らない。母マスクオフは2007年にこのGIをいきなりの激走で勝ったコイウタといとこの間柄になる。
もちろんナミュールが最大の強敵だが、マイラーが本質のモリアーナ。フィアスプライド、ウンブライル、スタニングローズ。穴馬は昨年5着のサウンドビバーチェ。