【オークス】ステレンボッシュ二冠達成なるか 主役としては不足なし
アーモンドアイら名牝たちと共通のローテーションで挑む大一番
全てが初距離で未知なる戦いのオークスだが、この10年、桜花賞出走組が7勝もしている。このうち桜花賞馬は8頭が出走していて、アーモンドアイ、デアリングタクト、スターズオンアース、リバティアイランドの4頭がオークスも制覇している。さらに深読みすれば、桜花賞はトライアルを使わなかった直行組が7連勝中で、そのうち前記の4頭が二冠を成し遂げているのだ。
ステレンボッシュは阪神JFから直行して桜花賞馬になったので、この4頭に続き名牝への一歩を踏み出していくと思いたくなる。父馬エピファネイアは菊花賞やジャパンCを勝っているし、これまで5戦3勝2着2回と大くずれがなく、直線で瞬発力を発揮できている点、折り合いに不安なく距離延びるのは歓迎というタイプと見ていいだろう。それに左回りは東京で赤松賞を勝っていて、オークスの主役として不足なく、史上18頭目の牝馬二冠に輝くと考えたい。
今年の桜花賞は、前半マイルが46秒3、後半マイルが45秒9で前後半差が0秒4という平均ペースだった。この差が小さいほどレベルは高いと言ってよく、例えば前後半差がこの10年で最も小さかった0秒1の2018年にはアーモンドアイが勝ち、0秒3差の昨年はリバティアイランドが勝っていた。今年の0秒4は、レベルとしては高い方に入るので、ステレンボッシュへの期待はふくらむ一方と言っていい。
これを追うのが桜花賞で0秒1差の3着だったライトバックだ。上がり3F32秒8の最速をマークしており、我慢が利いて折り合えば面白い。ただスタンド前からスタートするので、カッカする不安も同居しているこの馬には、思い切って後方からという戦法しか取れない。
ならば、桜花賞は8着に終わったクイーンズウォークの方に魅力を覚える。勝馬から0秒6差、マイルは忙しい印象で距離がのびた方が戦いやすい。中団のインでもまれて厳しかった桜花賞より、ずっと戦いやすいだろう。
桜花賞組が圧倒的に強いオークスだが、そこは競馬のこと、伏兵にも目を向けておきたい。この10年、7番人気以降で3着に入った馬を調べてみると、カレンブーケドール、ウインマリリン、スタニングローズが2着に、ウインマイティー、ハギノピリナが3着に名を連ねていたが、これら全ての馬の前走が1800米以上のレースで勝っていた。
今年は、フローラSを勝ったアドマイヤベル、ミモザ賞のエセルフリーダ、スイートピーSのコガネノソラ、忘れな草賞のタガノエルピーダ、フラワーCのミアネーロの5頭が候補になるが、伏兵という観点からはコガネノソラをピックアップしておく。ペースが速くいつもより後方から最速の上がりで勝ったスイートピーSは、歴代で一番速いタイムだった。
この10年、3勝以上挙げた馬は必ず連対を果たしているので、期待は大きい。持久力のあるゴールドシップ産駒というのも面白い。
「この勝利 春の女王に ふさわしく」