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【日本ダービー予想】昨年はサトノクラウン×マイラー牝馬 「父2400質、母マイラー質」が勝つレース

  • 2024年05月19日(日) 18時00分
近5年のダービー馬の父は、ディープインパクト(シャフリヤール、コントレイル、ロジャーバローズ)とハーツクライ(ドウデュース)とサトノクラウン(タスティエーラ)。いずれも現役時は中長距離、2000よりも2400を得意とした馬だ。いっぽうシャフリヤールの母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)勝ち。コントレイルの母母フォルクローレはBCジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダ8.5F)に勝った北米2歳女王。ロジャーバローズの母父リブレティストはジャックルマロウ賞などに勝った欧一流マイラー。ドウデュースの母ダストアンドダイヤモンズは北米ダ短距離重賞を2勝。タスティエーラの母パルティトゥーラは全3勝が芝マイル。父2400質×母マイラー質の配合が勝ちやすいのが近年の日本ダービーといえる。(解説:望田潤)


アーバンシック
 ヴァルコスの甥でステレンボッシュやドゥラドーレスのイトコで、レガレイラとは父と母父と母母が同じ同血の間柄。牝祖ウインドインハーヘアはディープインパクトの母で子孫にもレイデオロなど活躍馬多数の名繁殖。父スワーヴリチャードはハーツクライの代表産駒で初年度から大成功をおさめた。レガレイラと比較してもハービンジャーが強くて、ウインドインハーヘア牝系らしいしなやか体質だから、皐月賞より日本ダービーだと書いてきた。着順を上げるだろう。
距離○ スピード○ 底力◎ コース◎

エコロヴァルツ
 ウォータースペースの全弟で、ヴェントヴォーチェのイトコで、母プティプランセスはJRA3勝(芝1800〜2000)。牝祖マサケはハニームーンH(米G3・芝9F)勝ち。父ブラックタイドはディープインパクトの全兄でキタサンブラックの父。母系に気難しいオリオールの血が入るので馬群はイマイチで、戦績どおり行くか追い込むか極端なレースで好走する。地力を秘めるが乗り難しい馬だ。圧勝コスモス賞のように揉まれず先行が理想なのだろうが…。
距離○ スピード○ 底力◎ コース◎

コスモキュランダ
 母サザンスピードはMRCコーフィールドC(豪G1・芝2400m)勝ち馬。近親にATCシャンペンS(豪G1・芝1600m)のゴーインディゴーなどがいる。母父サザンイメージは北米G1を3勝したヘイロー系。父アルアインはシャフリヤールの全兄で皐月賞と大阪杯に勝った。父を重厚にした趣の馬で、ヘイロー≒サーアイヴァーの継続クロスだから、近2走を見てのとおり中山で捲れる中距離馬。鋭敏な脚はないので東京では乗り難しく、まずは持続力勝負に持ち込みたい。
距離◎ スピード○ 底力○ コース○

ゴンバデカーブース
 アクションスター、ヴェネト、レインフロムヘヴンの甥で、ワールドバローズのイトコ。母アッフィラートは中山牝馬S3着。母母レディオブヴェニスはキャッシュコールマイル招待S(米G2・芝8F)勝ち馬。父ブリックスアンドモルタルは北米年度代表馬で初年度からアンモシエラやイーグルノワールなどを輩出。サウジアラビアRCはディープインパクト×ストームキャット的斬れでナデ斬り。マイラーというよりは1800型か。ブリックスアンドモルタル産駒だからNHKマイルCのように馬群に入らず外差しで。
距離○ スピード◎ 底力○ コース◎

サトノエピック
 アリエノールの半弟で、ブルックリン招待S(米G2・ダ12F)のウォーストーリーの甥で、母ランドオーバーシーはフェアグラウンズオークス(米G2・ダ8.5F)勝ち。母父ベラミロードはウッドメモリアルS(米G1・ダ9F)勝ち馬でディープモンスターやミッキーポジションの母父。父キタサンブラックはウィルソンテソーロやガイアフォースなどダートでも成功。キタサンブラックとエーピーインディのイメージで長い距離は向くだろうが、芝GI級では動きに俊敏さが足りないかも…。
距離◎ スピード○ 底力○ コース○

サンライズアース
 セラフィックコールの半弟で、マーティンボロやフレールジャックの甥で、シュヴァルグランやヴィブロスやヴィルシーナのイトコ。グロリアスソングにさかのぼる名門牝系でもあり、牝祖モーンオブソングはラーイの全妹にあたる。父レイデオロはディープインパクト牝系のキングカメハメハ産駒で3歳が初年度産駒。母がヘイロー3×4なのでレイデオロ産駒としても機動力に富み、すみれSでは向正から一気に進出して押しきった。ボッケリーニを重厚にしたようなイメージの馬だ。
距離○ スピード○ 底力◎ コース○

サンライズジパング
 グランシエロの下で、ATCチッピングノートンS(豪G1・芝1600m)のコントリビューターの甥。母母セリシアはプシュケ賞(仏G3・芝2000m)勝ち馬。母父ゾファニーはハービンジャーと同じダンジリ産駒でリカンカブールの母父。母サイマーは名牝クードフォリーの4×3をもつ。ディープボンドやサヴォーナと同じグループで、速い脚はないが持続力に富むキズナ牡駒。東京の高速上がりでは苦しく、若駒SやホープフルSのように時計や上がりがかかると浮上する。
距離◎ スピード○ 底力○ コース○

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競馬ライター。血統評論家。育成牧場従業員を経て競馬通信社編集部に在籍、そこで笠雄二郎著「日本サラブレッド配合史」の影響を強く受ける。サイト「血統屋」「競馬道ONLINE」月刊誌「サラブレ」「ECLIPSE」などで血統に関するコラムや予想を執筆中。共著「パーフェクト種牡馬辞典2018-2019」も好評発売中で、馬主・生産者の配合アドバイザーも務める。ブログ「血は水よりも濃し」http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

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