【安田記念予想】代を経て変化したダイワメジャーの血 これまでとは一味違う“成長力”で強敵に挑む
香港馬は非常に強力 馬場の回復具合にも要注意
安田記念にはダイワメジャー直仔のセリフォス、母の父にダイワメジャーを持つナミュール。2頭のGI馬が出走する。
そのダイワメジャー(現在23歳)は昨年を最後に事実上の種牡馬引退となったが、産駒は典型的なマイラーが大半を占めた。ダイワメジャーが血統表に登場する活躍馬は、海外を含めてGI(格)16勝に達するが、うち13勝がマイル戦になる。
さらに、阪神JF3勝、桜花賞1勝、NHKマイルC3勝など、2〜3歳時のGI勝ちが多く、多分に完成されるのが早い傾向があった。自身は皐月賞を勝っただけでなく、5歳時に2000mの天皇賞(秋)を勝ち、2500mの有馬記念を5歳、6歳時に二度も3着したのに、不思議な産駒の傾向だった。
ただ、ベテラン種牡馬となったダイワメジャー産駒は、以前ほど完成度の早い産駒を送る傾向はなくなっている。距離適性こそ変わらないが、代を経て母の父にダイワメジャーを持つナミュールは、4歳秋にマイルCSを制した。同じく母の父ダイワメジャーのショウナンナデシコは、5歳時にダート1600mのかしわ記念(船橋)を制覇した。
セリフォスは3歳時に古馬相手のマイルCSを制しただけでなく、二度目の挑戦となった4歳時の安田記念を1分31秒6の好時計で小差2着。古馬になって明らかに地力強化している。
前走のマイラーズCは、香港遠征から帰り、4カ月半の休み明け。明らかに本調子手前だった。負担重量の1キロ軽いソウルラッシュに完敗だが、実力負けとは思えない。
まだ、ダイワメジャーの血を持つ馬の安田記念勝利はないが、セリフォスとナミュールは、これまでとはひと味違う地力強化を示してくれる可能性がある。ダイワメジャー自身は稍重程度の馬場は苦にしなかった。
2022年から東京競馬場に直接入厩可能となったのは海外からの遠征馬。今年の日本のGI馬は4頭だけ。対戦経験もあるので、勝機十分とみて遠征してきた香港馬はきわめて強力。過去の例だと、日本の芝なら香港の最高タイムを1秒前後短縮する馬が多かった。すると今年の2頭、1分32秒台は楽に可能だろう。好タイムを持つ日本馬には予想以上に早い馬場の回復が望まれる。