【ラジオNIKKEI賞】難解に見えるも勝ち馬には筋道あり ショーマンフリートにまず注目
1番人気は現在7連敗中
3歳馬の重賞で唯一のハンデ戦のラジオNIKKEI賞は、とにかく難解な一戦だ。つかみどころがないレースだが、だからと言って途方もない荒れ方をしているのでもない。勝ち馬にはきちんとした筋道を見つけることができる。
1番人気馬が勝ったケースがどれよりも分かりやすいが、ラジオNIKKEI賞の場合は、8年前まで遡ることになる。
この年は、4.0倍のゼーヴィントが1番人気だったが、ここが6戦目、5月生まれのディープインパクト産駒の牡馬。成長を促しながら調整され年が明けた3月と4月に中山で連勝、5月の東京プリンシパルSでダービー出走にかけていた。
残念ながらスタートで後手を踏み、直線内ラチ沿いを追い込んで3着といい方向に向っていて、そこで迎えたのが福島のこのレースだった。ハンデは54キロ。スタートを決め、先団直後のインでじっくり構え、直線入口で馬込みを捌くと、残り200米でスパっと弾けて重賞初制覇を達成し、期待に応えていた。
これ以後1番人気は7連敗しているが、一度を除きその他は全て4番人気までの馬が勝っている。小回りコースのハンデ戦とあって平穏に収まる可能性は低いが、勝ち馬に限れば、それほどでもないと見ていいだろう。
この5年で一番の伏兵馬の勝利は、2020年の8番人気、バビットになる。
ハンデは53キロ。11月の新馬戦1800米、12月の未勝利戦2000米と2着が続き、その後ソエが出て放牧されていた。3歳の4月に復帰、福島の2000米で逃げ切り勝ち、続く5月の新潟1800米で2勝目を挙げていた。
そしてデビュー5戦目がラジオNIKKEI賞で、やや重の1800米を1枠1番のゲートからとび出し、またしても逃げ切って3連勝で初重賞を達成していた。この年は2着に、前走阪神の2000米で2勝目を挙げたばかりのパンサラッサが7番人気で入り、馬単が2万5千円を超える波乱となっていたが、ハンデ頭が54キロで5頭もいて、12頭立てながら混戦模様だったことをつけ加えておきたい。
尚勝ったバビットはナカヤマフェスタの産駒でステイゴールドの血を受け継いでいたので、道悪巧者で奥手の晩成型、条件が揃っていたとも言える。
こうして振り返ってみると、ハンデなら54キロ前後、1800米か2000米で近走勝っているものに目が行く。まずは、この春自己条件で2着、1着と調子を上げてきたショーマンフリートを。
先行して息の長い末脚を発揮できる強味があり、父がスワーヴリチャード、先立ってGI騎手になったばかりの菅原明良騎手というフレッシュさが魅力だ。
これに加えたいのがウインマクシマムで、青葉賞5着は勝ちにいく競馬で無理があり、今回はためを利かせてゆったり走れると思うので、キタサンブラック産駒らしさが見られ、本来の姿で走ってくれそうな気がしている。
「まえ見据え しっかり勝てて これで良し」