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【ラジオNIKKEI賞予想】人気の1頭ウインマクシマムの評価難解 将来性十分の素質馬だが…?

  • 2024年06月29日(土) 18時00分

重賞勝ち馬は僅か1頭 力比較で頭を悩ます一戦


 まだ能力差の判然としないキャリアの浅い3歳馬のハンデ戦。まして福島の芝コースを経験しているのは2頭だけ(福島1800m経験馬は1頭)。当日の天候、さらには各馬の気配しだいで人気はかなり変化すると思える。

 人気の1頭ウインマクシマム(父キタサンブラック)の評価がとくに難しい。日本ダービー出走をかけた青葉賞で善戦しているように、将来性やスケールはここでは衆目一致の上位馬。3週連続の調教の動きも上々だが、まだまだ成長の途上。陣営から「まだ馬体の成長とストライドのバランスはもう一歩」とするトーンの心配が聞かれたりする。期待の大きい馬だからこそではあるが、確かに不安はある。

 しかし、春のGIで上位に入線した馬は1頭もいない組み合わせで。重賞勝ち馬もセットアップ(札幌2歳S)1頭だけ。期待と不安が重なっているのはみんな同じ。

 ウインマクシマムは、厳しい流れになったGII青葉賞2400mを離れた2番手から動いて2分24秒4。小差5着惜敗。自身の前後半1200mは推定「1分12秒2-1分12秒2」前後。一度は先頭に立って0秒2差に粘った。素質は秘めている。

 体型も父親も違うので成長曲線は異なるだろうが、半姉の5歳ウインピクシス(父ゴールドシップ)は今春の福島牝馬Sを1分47秒1で3着し、福島芝1800m[2-0-1-1]。2023年のクイーンS(札幌1800m)を0秒2差2着もある。半弟のウインマクシマムは不器用そうに見えながら、小回り1800mは合う可能性がある。

 先行型が多いので控える競馬を示唆し、調教でも最後に追って伸ばす形を取っているので戦法は予測できないが、好位で流れに乗れると思える。

 ファミリーは世界の名牝系ナターシュカの一族。日本での代表馬は5歳時の天皇賞(秋)2000mを驚異の切れ味32秒7で制した牝馬ヘヴンリーロマンス。2000年のオークス馬シルクプリマドンナ…など。将来性に期待して中心馬にしたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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