レッドラディエンスが七夕賞を勝利 血統からは秋の飛躍も期待大
血統で振り返る七夕賞
【Pick Up】レッドラディエンス:1着
ディープインパクト産駒は今年4つめのJRA重賞制覇。種牡馬別ランキングではエピファネイア(9勝)、キズナ(8勝)に次ぐ第3位です。ディープ産駒の最終世代である現4歳は、国内でわずか6頭しか登録されていないため、通常レベルの産駒数が揃っているのはレッドラディエンスが属する5歳世代が最後。稼働馬のほとんどが5歳以上という状況でこの数字は驚異的です。
母ペルフォルマーダは南米アルゼンチン産。日本ダービー馬マカヒキと同じファミリーで、2代母はアルゼンチンで8戦5勝、芝1600mで1分31秒67という高速決着だった同国のG2で2着となった経験があります。母の父ジャンプスタートはエーピーインディ系。
母方にエーピーインディを抱えたディープインパクト産駒は、中央開催の成績が良好で、ローカルはイマイチという特徴があります。今回はローカル重賞でしたが、中央開催に替わればもっといいはずなので、秋競馬が楽しみです。
血統で振り返るプロキオンS
【Pick Up】ヤマニンウルス:1着
デビューから無傷の5連勝で重賞勝ちを果たしました。2年前の夏、小倉ダ1700mの新馬戦で2着以下に4秒3の大差をつける衝撃のデビューを飾ったあと、脚もとが弱く順調に使い込めなかったのですが、まったく底を見せることなくGIIIを通過しました。
父ジャスタウェイは2014年のワールドベストレースホースランキングで世界ナンバーワンの座についた名馬。レコード勝ちを果たしたドバイデューティーフリー(首G1・芝1800m)をはじめ、天皇賞(秋)、安田記念などを制覇しました。ただ、母方がアメリカ血統で構成されているため、配合次第ではパワー型の馬も出しており、マスターフェンサー(重賞4勝、米G1ベルモントS-5着)やテオレーマ(JBCレディスCなど重賞3勝)がダート戦線で活躍しています。
本馬は母ヤマニンパピオネが「スウェプトオーヴァーボード×ジェイドロバリー」というパワー型。584kgという巨漢馬でもあるので、ダート専用です。これだけ大きいと脚もとに負担が掛かるのは致し方ありませんが、このまま順調に行ってトップクラスと一戦交えてほしいものです。
知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【グリーンデザート】
ダンジグの後継種牡馬のなかではデインヒルに次ぐ存在。現役時代にイギリスでジュライC(G1・芝6ハロン)など4つの短距離重賞を勝ちました。英2000ギニー(G1・芝8ハロン)は2着。このときの勝ち馬はダンシングブレーヴです。
スピード型の種牡馬として大成功を収め、オアシスドリーム、インヴィンシブルスピリット、ケープクロスなどを通じて父系を発展させました。わが国でもシンコウフォレスト(高松宮記念)、メジロダーリング(函館スプリントS、アイビスSD)が重賞を勝っています。スピードの絶対値が高く、競走に対して前向きな気性を備え、芝であれば馬場を問いません。
オアシスドリームとインヴィンシブルスピリットはこの系統らしいスピードを伝えており、後者はキングマン、アイアムインヴィンシブルの父となりました。イギリスやオーストラリアの短距離路線で主力級の勢力を保っています。ケープクロスはシーザスターズ、ゴールデンホーンなど12ハロンを苦にしない大物を出し、中距離血統に変質しつつ発展しています。
血統に関する疑問にズバリ回答
「上位種牡馬のなかでローカル向きの種牡馬は?」
3世代以上の産駒がデビューしている主な種牡馬の芝連対率を、中央開催とローカルで比較してみました。
中央開催 ローカル
キタサンブラック 23.0% 20.2%
ドゥラメンテ 21.8% 19.2%
キズナ 21.7% 18.2%
ロードカナロア 21.3% 20.2%
エピファネイア 19.5% 17.7%
モーリス 19.4% 18.2%
ルーラーシップ 18.2% 16.3%
ハービンジャー 16.4% 15.3%
オルフェーヴル 15.1% 17.0%
ドレフォン 13.0% 14.6%
上位種牡馬は総じて中央開催で産駒が活躍しています。オルフェーヴルとドレフォンの2頭は、中央開催よりもローカルの数値が優っています。いずれもダートが得意なタイプで、瞬発力よりもスピードの持続力に特長があるため、小回りコースのほうが持ち味を活かしやすいのでしょう。ローカルの舞台で積極的に狙いたい種牡馬です。