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【プロキオンS回顧】無敗のヤマニンウルスが圧勝したダート重賞 「砂を被った際の反応」にも着目し振り返る

  • 2024年07月08日(月) 18時00分
とうけいば回顧

プロキオンSを制したヤマニンウルス(C)netkeiba


 今週は七夕賞とプロキオンS。

 一般的な注目度で言えばダートよりも芝重賞。しかし、今年のプロキオンSは無敗でダントツ1番人気のヤマニンウルスが圧勝。レース前後で話題になりました。

 せっかくの機会ですし、今週はダート重賞のプロキオンSを回顧として取り上げます。芝のレース回顧にはない「砂を被った際の反応」について触れた馬もいますので、ぜひ参考にしてください。

2024年7月7日 プロキオンS

舞台:小倉 ダ1,700m
勝ち時計:1:42.7
レースラップ:6.9 - 10.5 - 11.1 - 11.9 - 12.0 - 12.5 - 12.6 - 12.6 - 12.6
ペース:Hペース
風向き:無風
脚質:差し有利
馬場:やや内有利

【レースポイント】

1. 良馬場でも時計は速く、内をロスなく回る馬が有利
2. 道中まったくペースが緩まないHペースで差し有利
3. 勝ち馬はテンよし、中よし、終いよしで極めて弱点が少ない

【レース概要】

 今年のプロキオンSの勝ち時計は1分42秒7と、良馬場では破格の勝ち時計。

 近年、小倉ダート1700mで良馬場&勝ち時計1分43秒以下で走破したのは2023年8月12日(土)阿蘇S(勝ち馬:キングズソード)があるが、前日の金曜日の含水率は6%前後とやや高め。

 一方で今年のプロキオンSは前日の含水率が2%前後とカラッカラの馬場になっており、馬場差を考えれば優秀な勝ち時計だったと判断できる。

 時計が早くなった要因としては
1. 勝利したヤマニンウルスがあまりにも強かったこと
2. 道中でペースが流れて時計が出やすかったこと
3. 近年の小倉ダートが高速化していること
の3点。

 小倉ダートの高速化については、ウマい馬券で活躍中ののれん氏がデータとともに紹介しているのでここでは割愛。ぜひ一度目を通してもらいたい。(のれん氏のコラムはこちら)

 いずれにせよ道中もまったくペースが緩まず早い勝ち時計になったことからも、道中は内をロスなく立ち回った馬が有利。加えて逃げ、先行馬にとってはキツイ展開になっており差し馬有利な流れになった。

≪2024プロキオンSのレース質≫
有利:内、差し・追い込み
不利:外、逃げ・先行

 勝ったヤマニンウルスは課題であった「レース前半で追走力が問われるレース」をあっさりとクリア。加えてラスト2ハロンは12.6秒→12.6秒と減速していないことからも、まだまだ余力が十分だと考えられる。

 馬群で揉まれる競馬だけ未経験なのは気になるが、テンの速さはスレイマンと同等かそれ以上。それだけ速いなら今後も馬群で揉まれる可能性は少なく、遺憾なく能力を発揮できるだろう。まさにテンよし、中よし、終いよし。GIでも楽しみな存在である。

【各馬解説】

1着:ヤマニンウルス
 スタート早く離れた番手。道中は揉まれることなくスムーズな競馬で、ラストまで脚色衰えずに突き抜け勝利。ラスト2ハロンが12.6秒→12.6秒と減速しておらず、ゴール前の脚色も他馬比較で良いことから全く底を見せていない。

 これでレース前半から

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2019年6月、Twitterで全くの無名アカウントからスタートした予想家活動が瞬く間に急成長。2021年10月には自身初の単行本「降格ローテ」が出版され、いま最も波に乗る新進気鋭の若手予想家。

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