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【函館2歳S予想】前走内容が光ったエメラヴィに注目 仕上がりの早さとセンスが問われるレース

  • 2024年07月12日(金) 18時00分

新馬戦は牡馬を相手に差し切り


 函館2歳Sが7月に戻ってきたのは2012年からのこと。もちろん出走馬の中には、近年では2022年3着のオマツリオトコなど、のちに重賞レースを勝った馬もいるが、函館2歳Sを勝ってもその後ずっと未勝利(平地)だった馬が8頭もいる。

 時期が早まった2歳初重賞は、ちょっとその評価が厳しい立ち位置になっている。

 今年はエンドレスサマー、サトノカルナバル、ヤンキーバローズ…など将来を期待される男馬が多い。1200mだけに来季のクラシックを展望できる馬は限られるだろうが、函館2歳Sの評価を取り戻すような未来のある馬の快走を期待したい。

 ただ、この時期は牡牝ともに同じ負担重量が示すように、仕上がりの早さとレースセンスが問われている。近年、牡牝の成績はほとんど互角でも、どちらかといえば牝馬の方に妙味がある。まして今年は牝馬9頭、牡馬5頭の組み合わせになった。

 牝馬エメラヴィ(父オルフェーヴル)の新馬戦は牝馬限定ではなく牡馬相手。それを1分09秒7「35秒0-34秒7」の前後半で差し切っている。決して全体レベルの高い新馬戦ではなく全体時計は標準でも、好位で折り合って我慢が利き、追って差し切った内容は光った。この中間も軽快に動いている。著名な牝系ではないが、3代母Niodiniニオディーニ(父Nijinsky)は、英の10Fを超えるG3・2勝、G2・2着もあり早熟の短距離ファミリーではないところも魅力だ。

 オルフェーヴル産駒はラッキーライラック、マルシュロレーヌ、ショウナンナデシコ…など、のちの活躍馬には牝馬が珍しくなく、最初から勝負強さを前面に出すように思える。

 同じ牝馬カルプスペルシュ、ヴーレヴー、ニシノラヴァンダ。エメラヴィの相手の主力は牝馬にして買いたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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