【函館2歳S予想】前走内容が光ったエメラヴィに注目 仕上がりの早さとセンスが問われるレース
新馬戦は牡馬を相手に差し切り
函館2歳Sが7月に戻ってきたのは2012年からのこと。もちろん出走馬の中には、近年では2022年3着のオマツリオトコなど、のちに重賞レースを勝った馬もいるが、函館2歳Sを勝ってもその後ずっと未勝利(平地)だった馬が8頭もいる。
時期が早まった2歳初重賞は、ちょっとその評価が厳しい立ち位置になっている。
今年はエンドレスサマー、サトノカルナバル、ヤンキーバローズ…など将来を期待される男馬が多い。1200mだけに来季のクラシックを展望できる馬は限られるだろうが、函館2歳Sの評価を取り戻すような未来のある馬の快走を期待したい。
ただ、この時期は牡牝ともに同じ負担重量が示すように、仕上がりの早さとレースセンスが問われている。近年、牡牝の成績はほとんど互角でも、どちらかといえば牝馬の方に妙味がある。まして今年は牝馬9頭、牡馬5頭の組み合わせになった。
牝馬エメラヴィ(父オルフェーヴル)の新馬戦は牝馬限定ではなく牡馬相手。それを1分09秒7「35秒0-34秒7」の前後半で差し切っている。決して全体レベルの高い新馬戦ではなく全体時計は標準でも、好位で折り合って我慢が利き、追って差し切った内容は光った。この中間も軽快に動いている。著名な牝系ではないが、3代母Niodiniニオディーニ(父Nijinsky)は、英の10Fを超えるG3・2勝、G2・2着もあり早熟の短距離ファミリーではないところも魅力だ。
オルフェーヴル産駒はラッキーライラック、マルシュロレーヌ、ショウナンナデシコ…など、のちの活躍馬には牝馬が珍しくなく、最初から勝負強さを前面に出すように思える。
同じ牝馬カルプスペルシュ、ヴーレヴー、ニシノラヴァンダ。エメラヴィの相手の主力は牝馬にして買いたい。