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JRAラストウィークを前に…小倉で溢れた“親子の笑顔” 移籍前に叶った夢とは?

  • 2024年07月16日(火) 18時01分
太論

▲いよいよJRA所属ラストウィークを迎える小牧太騎手(提供:小牧ひかり)


先週土曜日の雲仙特別では、9番人気テンクウフラワーで見せ場十分の3着! 「思った通りの馬で、久しぶりに気持ちがよかったわ」と小牧騎手。いよいよラストウィークとなる今週の競馬も、俄然目が離せなくなりました。

今週の『太論』では、先週のレース回顧のほか、7月から始めたという禁酒の話も。改めて、第三のジョッキー人生に向けた決意を伺いました。
(取材・構成=不破由妃子)

中京記念で最後の重賞騎乗へ「牧田くん、よう乗せてくれた」


──先週土曜日の雲仙特別(小倉9R・ダ1000m)は、テンクウフラワーに騎乗して3着(9番人気)。ロケットスタートからスッと下げて、しっかり流れに乗りましたね。

小牧 スタートは出ると思ってた。道中も馬が自分から行ってくれて、久しぶりに気持ちがよかったわ。

──テン乗りでしたが、レースはイメージした通り?

小牧 そうやね。過去のレースを見る限り、行き切ったら止まるし、中団でジッとしていても進んで行かんし。思った通りの馬やったけど、気のいいタイプでね。いい位置で流れに乗れたのがよかったわ。最後やということで、渡辺(薫彦)先生が乗せてくれて。感謝ですね。そのほかの2頭は、ちょっと残念やったね。

──土曜日4Rのビーチハイボール(3歳未勝利)は9着、日曜日メイン(佐世保S)のスタードラマーは18着に終わりました。

小牧 スタードラマーは大井でダートを走っていた馬やから、不良馬場は逆にいいかもと思ったんやけどね。やっぱり3勝クラスは強いねぇ。状態は絶好調やったのに。まぁレースが終わってからも絶好調のままやったけど(苦笑)。

──よっぽど走りづらかったのかもしれませんね。日曜日には、小倉1Rで加矢太さんが今年10勝目をマーク(ロードスパイラル)。「一緒に口取り写真を撮る」という願いがようやく叶いましたね。

小牧 うん。タイミングが合わなくて、今まで一度も一緒に撮れなかったから。あのレースはもともと自信があったみたいでね、今日こそはと思ってた。そうしたら、ミルコや吉村(誠之助騎手)も一緒に撮ろうやということになって。吉村は(勝ち馬を管理する)清水久詞厩舎の所属やからね。

太論

▲「一緒に口取り写真を撮りたい」願いがついに実現!(提供:小牧ひかり)


──ミルコさんはたまたま?

小牧 そう。一緒にいたから。「じゃあ一緒に」ということになった。

──みんな笑顔で、とてもいい写真ですね。さて、ひとつ願いが叶ったところで、いよいよ今週、JRAジョッキーとしてのラストウィークになります。土曜日はワンダーブレットが天草特別、ヤッホーキリシマがひまわり賞に登録していますね。

小牧 ワンダーブレットは、たぶん入らんわ。絶対に使おうと思って、楽しみにしていたのになぁ。ヤッホーキリシマも入らんかもしれん。

──ひまわり賞は、21分の18ですね。

小牧 入らなかったとしても、日曜日に1800mの平場があるから、そっちを使いたいね。距離的には1800mのほうがいいです。

──あとは、日曜日の中京記念。牧田厩舎のワールドリバイバルで最後の重賞に挑みます。

小牧 乗り馬がいてよかった。僕からお願いしたんやけど、牧田くん、よう乗せてくれた。感謝しかないですね。小倉はいい馬だから、なんとかいいところを見せたいね。

──そういえば以前、7月に入ったら禁酒するとおっしゃっていましたが、有言実行中ですか?

小牧 1滴も飲んでないよ。日曜日の夜も月曜日も飲んでない。新幹線のなかでも飲んでない。ただ、さすがに今週の日曜日の夜は飲もうと思っているけどね。わざわざ鹿児島からきてくれる同級生もいるし。

──約20日ぶりのお酒になりますね。効きそう…(笑)。

小牧 弾けるぞー(笑)。こんなに長い間、酒を飲まんかったのは、入院中以外初めてやね。やっぱり体調がいいし、体重も軽いし、顔も小っちゃくなった。その代わり、ひとつも面白いことがないわ。僕の人生、お酒がないとホンマにつまらん(笑)。

──それでも我慢して、最後の週にたどり着いた。それだけ決意が固いということ。

小牧 そうやね。体を一度リセットして、そこからまた作っていこうと思っているから。日曜日に一旦解禁して、友達がいる2、3日の間は飲もうと思っているけど、そのあとはまた禁酒しようと思う。競馬の前日から開催中は飲まないという癖をつけようと思ってね。

──園田では、毎週3日間開催ですものね。

小牧 ハードになるからね。しっかり体を作らんと。でもなぁ、20日間もアルコールを抜いているから、最後の重賞で手が震えてステッキを落とすかもしれん(笑)。

──またアホなこと言って(笑)。

小牧 アハハハ! 「今はそれが心配です」って書いておいて。コラムとしてはおもしろいやん。

──書きません!

小牧 なんでよ(笑)。それ以前に、19日の合格発表で大どんでん返しが起きたら…。それもまたおもしろいなぁ。

──おもしろくはないですが、間違いなく伝説になりますね(笑)。ここではセレモニーが実施される体でお話ししますが、小牧さんのテーマソングである『栄光の架橋』は流れますか?

小牧 流れん、流れん。それはやめておこうということになった。

──あ、提案はしてみたんですね?

小牧 した(笑)。途中で福島の放送が入ったりするかもしれないから、音楽を流すのはやめておこうかとなって。『栄光の架橋』か『2億4千万の瞳』か…。どっちにしようか、せっかく考えたのになぁ(笑)。
(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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