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【中京記念など予想】2年ぶりの小倉で開催される中京記念 狙うべき調教適性とは?

  • 2024年07月17日(水) 18時00分

エルトンバローズは軽視できない?


 函館開催最終週の函館記念。◎アウスヴァールが素晴らしいラップを刻み、それに歩調を合わせてくれた○ホウオウビスケッツのおかげで複勝と3連複が的中。久しぶりにホームランを打つことができました。

 というわけで、今週から札幌開催がスタート。函館開催同様、過去3年の厩舎成績を調教適性と同じ扱いにして予想印を組み立てていきます。その中身を少しだけ紹介しておくと、芝レースで最多勝は須貝尚介厩舎。14勝、単勝率24%という素晴らしい数字を残しています。2位が9勝なので、圧倒的なトップ。ただ、回収率に関しては単勝も複勝も100%を切っているので、ベタ買いが必ずしも有効とはならないかも知れません。

 そして、小倉では中京記念が行われます。芝1800mで行われるので、当然、小倉芝1800mの調教適性を重視するつもりですが、問題はお天気。先週、日曜日に大雨の影響を受けてレースを開催した影響が残るのかどうか。これによって狙うべき調教適性は変わってきます。ちなみに不良馬場で行われた青島特別は最終追い切りが栗東坂路で3着以内を独占。これが良馬場になって、調教適性がCW寄りに戻るのか、それとも馬場が傷んで栗坂なのか。少し悩むことになりそうです。

【中京記念/エルトンバローズ】

 3歳時の勢いは凄まじいものがありましたが、4歳になって、低調な成績。ただ、安田記念は東京競馬場での調整という、通常とは違うパターンでありながら8着に健闘。今春はたまたま好走のリズムに乗ることができなかっただけなんだと思います。

 それゆえに今回が正念場。1週前追い切りのCWでは素晴らしい動きをできていたと思いますし、全体的な調教量も十分。最終追い切りの坂路も4F目11.8秒は評価できますが、2F25.2秒は24秒前半をマークできる脚力がある馬ということを考えると、少し物足りなさはあります。ただ、夏場ということを考えると、これで十分かも知れないので軽視はできません。

調教Gメン研究所

全体的な調教量も十分なエルトンバローズ(7月16日撮影)


【中京記念/セオ】

 上村洋行厩舎らしく、1週前追い切りはCWで併せ馬を消化して、最終追い切りは坂路。このパターンでずっときていて、近2走も同じような形で結果を出して連勝。その2走は週末追い切りの坂路で4F53秒台でしたが、今回は4F56.2秒だったので、負荷としては軽い印象もありましたが、1週前追いの時計が速かったので、それでバランスはとれているのかも知れません。

 最終追い切りは坂路で4F52.4秒。思ったよりも速い時計でしたが、それだけ状態がよいのか、少しレース間隔があいた分、しっかりやったのか。いずれにしても調教内容としては決して悪くありません。あとは久しぶりのコーナー4つの芝1800m。ラジオNIKKEI賞の惨敗はいろいろと理由はあったのでしょうが、ワンターンではない状況はさほど楽観視できないかなと思います。

調教Gメン研究所

決して悪くない調教内容のセオ(7月16日撮影)


【中京記念/エピファニー】

 ケフェウスSの時に栗東に滞在して結果を出して以降、西でレースを使う時には栗東入りしています。今回と同じ小倉競馬場でのレース、小倉大賞典ではこのパターンで重賞を勝っており、当然、それを意識した調整パターンといってよいでしょう。

 1週前追い切りは美浦で消化して、7月14日にCWで時計を出しています。順調だと思いますが、今回の最終追い切りはCWで半マイル。美浦でも半マイル追いが中心になっているのですが、これは今までとパターンが変わっています。暑さを考慮してのものなのか、気性的に前向きすぎる部分が出てきているのか。17日の最終追いを見るかぎり、後者ではないかなと感じるところがあっただけに、ちょっと競馬スタイルが難しくなるかも知れません。

【ひまわり賞/エイヨーアメジスト】

 デビュー前の追い切りで将来有望調教に該当。一般戦でもやれるんじゃないかと思っていましたが、新馬戦はそれを現実と思わせてくれる圧勝ぶりでした。1分9秒8という勝ち時計自体はさほど目立ちませんが、まだまだ時計を詰めることもできそうです。

 中2週のローテーションになるので、どんな調教内容になるかと思っていましたが、7月11日の時点で1週前追い切りを消化。週末追い切りもこなしており、追い切り本数も豊富。ここもしっかりと結果を出して、次のステップへと駒を進めてほしいところです。

【ジュライS/エーティーマクフィ】

 OP入りしてからも堅実な成績を残しており、半年ぶりの前走のレースでも2着。追い切り本数が少なかったことを思えば、よく動けているなという印象です。それゆえにひと叩きした今回は期待が大きくなると思いますが、これまでの好走パターンとはちょっと違います。

 それが土曜日追い切り。7月13日に坂路で4F54.9秒をマークしていますが、これまでの土曜日追いは坂路4F50秒台が普通。前走もギャラクシーS3着時もそうでした。調教内容が違う点については福島への輸送があるのかも知れませんが、そういった意味ではコーナー4つの1700mという条件もやってみないと分からないところ。人気するようなら、一旦冷静に判断し直す必要がありそうです。

◆次走要注意

・7/13 2歳未勝利【アメリカンビキニ】(1人/1着)

 もうスピードが違いすぎるといった感じでの完勝。57秒2はレコードタイムですが、短距離馬という印象はありません。実際、半姉は先々週、福島ダート1700mを圧勝していますし、自分のリズムで走ることができれば、まだまだ底は見えないだろうなという感じです。

[メモ登録用コメント] [ダート]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<小倉芝1800m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎今回追い切りCW3F37.9秒以下をマーク
○1週前追い以降CW併せ馬なり追走同入先着

 先週までの3回小倉開催において、芝1800mは12レースありましたが、◎に該当していない馬の1着は4レース。うち2レースが雨の影響を受けた馬場だったので、そこがひとつのポイントになるかも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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