スマートフォン版へ

【クイーンS・アイビスSD予想】札幌の芝の状態は絶好ではない? 調整内容を見極める必要が…

  • 2024年07月24日(水) 18時00分

秋華賞馬スタニングローズの仕上がりは?


 先週は仕事で開幕週の札幌競馬場へ。初日は土曜日でしたが、フリーパスということでたくさんのお客様で賑わい、日曜日も変わらずの人出でした。ただ「ここ、ほんまに札幌!?」という暑さ。これには参りましたし、芝の状態も開幕週にしては絶好という印象はありませんでした。

 どうやら、洋芝は暑さに強くないようですね。このまま、札幌の気温が高いままだと、芝の傷み具合が心配。雨が降ってレースが行われたら、一気に悪化しそうな印象もあります。今週末の札幌は晴れか曇りという天気なので、先週と同じような馬場状態でレースが行われるでしょう。

 今週の重賞はクイーンSとアイビスSD。クイーンSは早目に北海道で始動した馬を選ぶか、先週までトレセンでしっかりと調整した馬を選ぶのか。アイビスSDはトラックなのか、坂路なのか。調教適性的には最初の大きな枝をどちらで選択するかによって、印が変わってくると思いますが、しっかり見極めていきたいと思います。

【クイーンS/ドゥアイズ】

 7月3日のCWで追い切りを消化した後は札幌競馬場へ移動。翌週には追い切りを開始できており、いかにも順調といった調教内容です。デビューから3戦がすべて札幌芝1800mですが、デビュー前の追い切りは函館Wを含めて、たった3本でした。阪神JFの時も追い切り本数が少なくて好走しているので、追い切り本数を気にするタイプではないでしょう。

 そういった意味で、今回の追い切り本数も問題なし。むしろ、1週前追い切りが札幌芝でしっかりと動けていて、やっぱりこの舞台がフィットするのかなという印象。netkeibaの予想単勝オッズが1番人気になるのが納得です。

【クイーンS/スタニングローズ】

 近走成績を見ていると、どのあたりの好走時を参考にして調教判断すべきか難しいところはありますが、3歳時に9月の紫苑Sを勝った時。これが栗東に戻ってきて早い段階から坂路で4F52.3秒、2F24.4秒と動くことができていたので、そこをひとつの判断基準にすればよいかなと思っていました。

 ところが今回は早い段階うんぬんよりも、追い切り自体は速い時計をマークしていません。むしろ、函館競馬場へ移動して、そこから早目に時計を出すというスタイルにしています。そもそも北海道での調整が初めてなので、このパターンの良し悪しの判断は相当難しいでしょう。栗東にいた時の状態が良さそうだっただけに、最終的には調教VTRで判断してみようと思います。

調教Gメン研究所

初の北海道調整をおこなったスタニングローズ(7月16日撮影)


【アイビスSD/チェイスザドリーム】

 千葉S14着から韋駄天S1着。この直線競馬での一変がここでも人気を背負う要因になっているのかも知れません。前走が中8週で今回が中9週。追い切り本数が少なかった前回同様、今回も少ない本数で仕上げられていますが、1週前追い切りは坂路4F49.1秒と速い時計でした。

 そして、最終追い切りは坂路で4F53.7秒。4F目が12.5秒で最速となるラップを踏むことができており、調子に関しては前走同様の仕上げができていると判断してよいでしょう。あとは前走のレース内容が夏開催の直千重賞でも通用するのか、そこがポイントになりそうです。

【アイビスSD/モズメイメイ】

 休み明けの前走。1週前追い切りが坂路で4F49.5秒をマークして、最終追い切りは坂路4F52.9秒と全体時計は遅くなったものの、4F目12.3秒の最速ラップを踏み、控える競馬で結果を出しました。

 ゆえに、今回も4F時計が遅くなるというのは想定通り。52.8秒は前走とほぼ同じですが、4F目12.1秒は最速ラップではありませんでした。減速していないからよいというものではなく、前走のような12.5秒から12.3秒という、ゆったりさがないのは気になるところ。そもそもレース間隔を詰めて好走するタイプでもなく、心配材料は尽きません。

調教Gメン研究所

ゆったりさがないのが気になるモズメイメイ(7月23日撮影)


【アイビスSD/ジャスパークローネ】

 前走は出遅れたことが敗因だと思いますが、海外遠征から帰国しての初戦というところもあったと思います。加えて、追い切り内容に関しても、昨夏絶好調時はとんでもなく坂路で動いていたので、それと比べると、少し地味だったかも知れません。

 そういった意味では今回はどんな時計が出るか楽しみにしていましたが、1週前追い切りの時点ではごく普通。最終追い切りがどんな内容になるか注目して、それ次第での評価ということにしたいと思います。

調教Gメン研究所

最終追い切りの内容に注目なジャスパークローネ(7月23日撮影)


◆次走要注意

・7/21 2歳新馬【キングスコール】(2人/1着)

 前半スローペースだったこともあって、残り4Fからのラップが11秒台を踏んで、レコード決着となったといってよいでしょう。それを大楽勝していて、こと札幌でのレースに関してはかなり高い評価をすべきだと思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]札幌芝で3F36.9秒以下の時計をマークすれば勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<新潟芝1000m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎2週前追い以降併せ馬先行と追走どちらも経験し同入か先着

 上記2種類の調教適性が基本。アイビスSDに限っては、2週前追い切り以降に併せ馬を先行と追走どちらも経験しつつ、先着、同入、遅れの内容は関係なく、4F51.9秒以下を1本は消化していること。昨年の1着馬、オールアットワンスは2週前追い切りが美Wで2歳未勝利を追走して遅れましたが、4F50.8秒をマークしていました。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング