レパードS制したミッキーファイトの血統背景を解説 良質な配合で伸びしろ感じる一頭
血統で振り返るレパードS
【Pick Up】ミッキーファイト:1着
父ドレフォンは皐月賞馬ジオグリフを出していますが、平地勝利数の内訳は芝18%、ダートが82%。本質的にはパワー型です。「ドレフォン×スペシャルウィーク」の組み合わせは成功しており、勝馬率50.0%、連対率29.2%、1走あたりの賞金額315万円と優秀な成績を収めています。ドレフォン産駒全体の数値はそれぞれ41.8%、18.1%、163万円なので、ニックスといえるでしょう。
母スペシャルグルーヴはその名から推察されるとおり女傑エアグルーヴの直牝系に属しています。繁殖牝馬としてきわめて優秀で、本馬の他にジュンライトボルト(チャンピオンズC、シリウスS)、グルーヴィット(中京記念)を産んでいます。エアグルーヴ牝系とドレフォンの組み合わせといえばデシエルト(若葉S、グリーンチャンネルC)が有名で、このパターンは出走した5頭中4頭が勝ち上がるという好相性です。
3着と敗れた前走のユニコーンSは、勝負どころで周りを囲まれる不利がありました。スムーズに進路が開いていれば、ラムジェットには勝てないまでも、2着はあったように思います。
兄弟やファミリーの質、配合構成、5月5日生まれ、540kgという雄大な馬格から、まだまだ伸びしろはあるはずです。ラムジェット、フォーエバーヤングと激突する10月2日のジャパンダートクラシック(JpnI・大井ダ2000m)が楽しみです。
血統で振り返るエルムS
【Pick Up】ペイシャエス:1着
エルムSと相性のいい血は、ストームキャット、サドラーズウェルズ、ロベルトの3つ。ハイペースで展開する小回りコースの重賞だけに、スピードの持続力を武器とする血が活躍しています。本馬は、父方にロベルト、母方にストームキャットとサドラーズウェルズを併せ持っており、いかにもエルムSに強そうな血統構成です。
父エスポワールシチーは、中央開催よりもローカルを得意とし、とくに札幌、福島、新潟のダートは成績良好。なかでも札幌ダ1700mは連対率25.6%と優秀です。本馬は昨年のエルムSで8着と敗れていますが、輸送がうまく行かず体調がイマイチだったことに加え、59kgという別定重量がこたえました。今回は体調面に不安がなく、昨年より軽い58kgで出走できたことは追い風でした。これで3つめの重賞制覇。今後も平坦小回りのダート重賞では目が離せません。
知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【アグネスタキオン】
ダービー馬アグネスフライトの全弟で、母アグネスフローラは桜花賞馬。現役時代に皐月賞を含めて4戦全勝の成績を残しました。ジャングルポケット、クロフネをくだした2000年12月のラジオたんぱ杯3歳S(GIII・芝2000m)は、この馬のハイレベルな才能を見せつけた名勝負です。
種牡馬としても成功し、ダイワスカーレット、ディープスカイ、キャプテントゥーレ、ロジック、リトルアマポーラ、レーヴディソールなどのGIウィナーを出しました。2008年にはチャンピオンサイアーの座についています。距離は万能で、新馬戦に強く、ダートもこなしました。
一方で、脚もとの弱さはウィークポイントで、ダイワスカーレット、ディープスカイ、グランデッツァ、ノーザンリバーは屈腱炎を発症し、キャプテントゥーレ、レーヴディソール、アドマイヤオーラ、ロジック、リディルは骨折しました。11歳で早世したため、産駒は8世代と少なめです。
母の父としては芝・ダートの勝利数が拮抗しており、ノンコノユメ、ワイドファラオ、オメガレインボー、レーヌブランシュといった砂巧者を出しています。
血統に関する疑問にズバリ回答!
「今週から中京開催が始まります。注目すべき種牡馬は?」
1月以来、小倉はすでに24日間開催されているので、例年8〜9月に開催されている小倉開催は中京に振り替えられました。小倉記念、小倉サマージャンプ、小倉2歳Sも、今年は中京で行われます。
中京開催で注目すべき種牡馬を1頭挙げるとすれば、イスラボニータです。芝コースの連対率26.0%は、2014年以降、中京芝コースで50走以上した91頭の種牡馬のなかで第1位。今年に入ってから10戦して8回馬券に絡んでいます。これから始まる開催でもこの勢いが続くのではないかと思います。