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先週はイスラボニータ産駒が大活躍! 重賞制したトゥードジボンの血統背景とは?

  • 2024年08月12日(月) 18時00分

血統で振り返る関屋記念


【Pick Up】トゥードジボン:1着

 先週はイスラボニータ産駒が大活躍。関屋記念をトゥードジボンが勝ったほか、小倉記念でコスタボニータが2着、札幌ではUHB賞をプルパレイが勝ちました。13回走って3勝、2着2回、3着2回という成績です。

 イスラボニータ産駒は直線の長い芝コースを得意とし、小回りコースではやや見劣りします。関東であれば中山よりも東京の成績が良く、関西であれば京都・阪神とも内回りより外回りで実績を残しています。

 トゥードジボンは京都コースの鬼なので、直線が平坦な新潟コースは合うのかもしれません。直線が長いコースも合います。

 父イスラボニータは、アメリカのスピード血統であるインリアリティを4×5で持っています。これを継続したイスラボニータ産駒は成功しており、他にプルパレイ、フラッパールック、ミスボニータ、イサチルシーサイドなどが出ています。トゥードジボンは母方にインリアリティを3本持つ、という珍しい配合。平坦巧者、高速馬場歓迎、といったアメリカ血統由来の特長が表現されているように思います。

血統で振り返る小倉記念


【Pick Up】リフレーミング:1着

 父キングヘイローは、ダンシングブレーヴ(欧州歴代最強馬の1頭)とグッバイヘイロー(米G1を7勝)の間に誕生した超良血馬で、現役時代に高松宮記念(GI)を勝ちました。

 種牡馬としてはカワカミプリンセス(オークス、秋華賞)、ローレルゲレイロ(スプリンターズS、高松宮記念)、メーデイア(JBCレディスクラシック)などを多くの活躍馬を送り出し、母の父としてはイクイノックスを筆頭に、ピクシーナイト、キングズソード、ディープボンドなど大物を連発しています。

 キングヘイローはそうした良血を受け継ぐ一方で、気性面の難しさがありました。血統的に短距離向きではないにもかかわらず、高松宮記念を勝ったのも、そうした点が影響したと思われます。また、本馬の母の父バトルプランも、エンパイアメーカー譲りの気性難を抱えていました。難しい血を掛け合わせて誕生した本馬は、やはり一筋縄ではいかない気性の持ち主で、かなり乗り難しいタイプです。今回の勝利は、1000m通過57秒6というハイペースとなったことで、折り合い面の懸念が薄らいだことも要因のひとつでしょう。

知っておきたい! 血統表でよく見る名馬


【スペシャルウィーク】

 日本ダービー、ジャパンC、春秋の天皇賞を制覇した名馬。サンデーサイレンス産駒のクラシックホースのなかでは唯一、牝系祖先が戦前に輸入された馬にさかのぼります。生後すぐ母が死んでしまい、人の手を掛けて育てられたため、人を信頼する性格となりました。

 日本ダービーとジャパンCを勝ったときの馬体重が468kgと、馬体のサイズは中型でしたが、馬格のある産駒が目に付き、とくに牡はその傾向が顕著でした。

 距離は万能で、芝・ダート兼用。シーザリオ、ブエナビスタなど牝馬の超大物を出し、前者はエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアを産んで母としても成功しました。ディアドラ、ジュンライトボルトなど、スペシャルウィークを母の父に持つ活躍馬は多く、母方にスペシャルウィークを抱えた一流馬は今後もコンスタントに出てくるはずです。

血統に関する疑問にズバリ回答!


「今年のヨーロッパ競馬はフランケル産駒の影が薄いような気が?」

 おっしゃる通り、なぜか今年はフランケル産駒が微妙です。現時点の種牡馬ランキングは、イギリス7位、アイルランド11位、フランス12位。各国のクラシックをはじめG1レースでほとんど存在感を示していません。

 ただ、ひとつ下の2歳世代は、ベッドタイムストーリー、レイクヴィクトリアなど、来年が楽しみな逸材が出てきています。日本でも6月30日の福島新馬戦(芝1800m)を勝ち上がったデルアヴァーは期待できる存在だと思います。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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