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【新潟記念・札幌2歳S・小倉2歳S予想】いよいよ夏競馬も最終週! 出走各馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年08月28日(水) 18時00分

オークス以来のライトバックの仕上がりは?


 先週の日曜日。新潟12Rが落雷の可能性があるということで取りやめになりました。そして、今週は台風10号が列島縦断の可能性があり、開催の有無が問われるような状況になりそうです。仮に開催されたとしても、雨の影響は相当大きくなりそうですから、台風が日本から離れるような進路を期待しつつ、無事に週末の開催が行われるように願いたいところです。

【札幌2歳S/アスクシュタイン】

 函館芝1800m、札幌芝1800mをともに逃げ切り勝ち。札幌でのレースだった前走も函館競馬場に滞在してのレースでした。ゆえに今回が初めての札幌競馬場滞在のレース。といっても、函館の新馬戦を函館滞在で勝っているわけですから、特に問題になると思いません。

 中2週のローテーションですが、8月25日の日曜日には札幌ダートで追い切りを消化。函館から札幌への移動も無事に済んだようです。原稿を書いている時点で最終追い切りがどのような内容になったのか、把握できていませんが、理想はこれまでのパターンを踏襲して、芝で併せ馬なのかなと思います。時計うんぬんよりも、前走の最終追いでゴール前はシャフリヤールを上回る脚色だったように、動き自体に注目した方がよいでしょう。

【新潟記念/ライトバック】

 オークス以来の休み明けになりますが、時計の出し始めは8月8日。かなり早くからここへ向けて準備していましたが、8月14日(水)の週の追い切りがなかったこともあり、追い切り本数としてはほぼ標準程度。1週前追い切りがCWでどのような動きをするか注目でしたが、単走でも落ち着きのある、春よりも完成度の高い走りだったと思います。

 最終追い切りはCWで併せ馬。時計自体は1週前追い切りよりも遅くなりましたが、それでも十分な時計。今の状態で52キロなら、初めての古馬対戦でも勝ち負けを意識して当然だと思いますし、人気するのも当然でしょう。

【新潟記念/レッドラディエンス】

 前走七夕賞で重賞初制覇。藤沢和雄厩舎から友道康夫厩舎へ転厩してきた時から重賞を勝つ雰囲気は持っていましたが、もう少し落ち着きが出ればなあという感じ。それが徐々に出てきて、今回のCWでの1週前追い切りではかなり落ち着きのある走り、脚のたまった走りだったので、友道康夫調教師と完成してきたのかも知れませんね、なんて話をしていました。

 最終追い切りはいつも通り、坂路で4F55.3秒。4F目最速ラップを踏みましたし、状態に関しては文句なし。あとは58.5キロが他との比較も込みでどう影響するか。ちなみに新潟自体は昨夏にドゥレッツァの2着だったことからも全く問題ありません。

調教Gメン研究所

状態に関しては文句なしのレッドラディエンス(写真真ん中、8月14日撮影)


【小倉2歳S/レイピア】

 デビュー戦は2着だったものの、小倉芝1200mの未勝利は単勝1.4倍の圧倒的支持に応えて勝利。さすがデビュー前に坂路で優秀な時計をマークしていただけのことはあるといった結果です。ちなみに前走の最終追いが坂路4F51.9秒で自己ベストを更新する時計でした。

 今回は1週前追い切りが坂路で4F51.5秒。これが自己ベストを更新して、最終追い切りは坂路4F52.5秒。4F目12.3秒が最速になるラップですが、中竹和也厩舎らしく、馬場の踏み荒らされた時間帯でこの時計は超優秀。パワーのいる中京なら、より坂路での動きが武器になるかも知れません。

【小倉2歳S/アーリントンロウ】

 デビュー戦はクビ差2着でしたが、新潟芝1400mの未勝利できっちり1着。レコードをマークしたということで、競馬場こそ違いますが、初戦から2.9秒も時計を詰めた形。能力が高いことは間違いないんでしょうが、今回は舞台が芝1200mになります。

 これに関しては、1週前追い切りの坂路4F51.6秒で自己べストを大幅に更新したことで対応するスピードがあると証明したようなもの。そもそもレコードで勝つくらいですから、スピード対応はできます。最終追い切りは坂路4F57.1秒と遅い時計になりましたが、デビュー戦も遅い時計だったので、問題になることはありません。自身は良い状態だと思うので、あとは横比較における力関係だけ。

調教Gメン研究所

時計自体は問題ないアーリントンロウ(8月27日撮影)


◆次走要注意

・8/24 2歳新馬【ダノンカゼルタ】(2人/11着)

 スタート直後に頭を上げるなど、道中でも何度も頭を上げ、内にいったり外へいったりする不安定なレースぶり。追い切りの良さを全く発揮できないまま終わった感じですから、次は競馬をしっかり教えるような形でレースすれば、すぐとは言いませんが、必ず勝ち上がることができる素質馬ではあります。

[メモ登録用コメント] [芝]しばらく追いかける必要あり

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝1200m>
◎1週前追い切り以降坂路馬場で4F目最速ラップ(※4F60秒以下)
◎最終追い切り坂路馬場3F目12.5秒以下
◎最終追い坂路併せ先着

 CBC賞は最終追い切りが栗東坂路で3F目以降12.5秒、12.2秒で4F目最速ラップを踏んだ単勝6番人気が1着。やっぱり中京は坂路の後半2F脚力が重要です。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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