▲西山茂行オーナーと勝浦正樹元騎手による対談前編!(c)netkeiba
今年4月に騎手を引退した勝浦正樹さん。500を超える騎乗回数を誇ったのが「セイウン・ニシノ」の冠名で知られる西山茂行オーナーの所有馬でした。今回netkeibaではそんなお二人の特別対談をお送りします!
一番思い出に残っている馬や、タッグで重賞2勝のニシノデイジーなど、親交の深さを感じるエピソードたっぷり。当時は怒ったことも「今では笑い話だよ」と西山オーナーは明るく振り返ります。結果に関係なく、勝浦元騎手を起用し続けたワケとは…?
(取材・構成=不破由妃子)
「笑い話で済ませてくれる懐の深さが沁みる…」
──今年4月に27年の現役生活にピリオドを打った勝浦さんですが、生涯騎乗数15674回のうち、535回が西山茂行オーナーの所有馬で、馬主別では断トツのトップ(騎乗数2位は社台レースホースで369回)。西山オーナーは「勝浦に関してなら本を一冊書ける」とおっしゃるほど、“ジョッキー・勝浦正樹”を買っていたそうですね。
西山 いやいや、そこまで買ってないですよ。
勝浦 アハハハ! そういうところじゃないんですよね。
──人間性に惹かれたということですか?
西山 人間的にも別に惹かれてないですよ。
勝浦 社長、面白いですね(笑)。
──ジョッキーとして買っていたわけでもない、人間性に惹かれたわけでもないと(笑)。でも、おふたりには確かな歴史がある。今日はそのあたりをお聞きしたいなと思っているのですが。
西山 勝浦はね、私のこだわりなんですよ。1番人気のニシノラピートでスタートしてすぐ落馬したり、単勝1.2倍のニシノショータイムで飛んだり…(笑)。そういうことがあったからね、勝浦で勝たないと気が済まなくて。だから見切らなかった。
▲起用の裏には「勝浦で勝たないと気が済まなくて…」(c)netkeiba
勝浦 ありがたいです。社長には本当にお世話になりました。
西山 思い出はいっぱいあるけど、一番覚えているのはニシノムーンライトだな。
勝浦 社長と話をすると、絶対に出てくる馬ですね。毎回必ず出てきます(笑)。
西山 1番人気で普通に外に出せば楽に勝てるはずなんだけど、難しいところに入って出られなくなるっていう。
勝浦 はい…(苦笑)。
──先々を見据えて、あえて馬群のなかで競馬をさせるパターンも。
西山 そうですね、わかります。でも、次走も一本被りの人気になって、また同じことをするのが勝浦(笑)。
勝浦 そんなことがあっても、