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【セントウルS・紫苑S・京成杯AH予想】秋競馬がスタート! 夏を越えた有力馬たちの状態は?

  • 2024年09月04日(水) 18時00分

ママコチャの最終追い切りに注目


 今週から秋競馬がスタート。中山競馬場は春以来となりますが、中京競馬場は前開催からの引き続き。しかも先週が雨の中でのレースだったこともあり、芝は相当傷んだと考えられます。秋のスタートが中京開催だったことは近年にあって、それを参考にすべきだと思いましたが、ウマい馬券でも使っている調教適性に関しては2回開催中京の結果を参考にしています。

 また、今週からは3歳未勝利がない分、2歳未勝利が増えています。これからは「将来有望調教」の該当馬の活躍が多くなるはずですから、ウマい馬券の予想での主軸として頑張ってもらいたいと思います。

【紫苑S/エラトー】

 チューリップ賞を惨敗した後はレース間隔をあけて、北海道シリーズに参戦。ここで1勝クラス、2勝クラスと連勝して、確実に力を付けてきたという印象です。函館ではウッドチップでの追い切りを行っていて、中2週だった前走なんかは追い切りの本数も多く仕上げてきます。チューリップ賞の時が1週前追い切りでCWの併せ馬の負荷でしたが、そのパターンは函館(前走の1週前追いが函館W)でも同じでした。

 そして、今回も1週前追い切りがCWで3頭併せ、最終追い切りは坂路というパターン。調教内容としては順当といった感じです。コーナー4つで結果を出している強みはありますが、斤量が軽いところから増えるので、あとはここだけでしょう。

調教Gメン研究所

順当な調教を消化したエラトー(9月3日撮影)


【京成杯AH/ディオ】

 前走は中7週ということもあって、1週前追い切りはCWでの併せ馬。今回は中3週にレース間隔が詰まりますから、坂路での併せ馬となりました。レース間隔の詰まるローテーションは東風Sでの好走はありますが、ダービー卿CTでの凡走があり、なかなか判断の難しいところ。ただ、主観的には1週前追い切りの坂路での併せ馬はしっかりした動きで評価したくなる内容でした。

 最終追い切りはいつも通りの坂路。2F24秒台がひとつ好走目安になる馬ですが、今回は25.1秒。これも東風Sの最終追いが坂路2F25.6秒だったので、気にしなければそれで済むところでもあります。前走よりも調子が落ちていることは考えにくいものの、ダービー卿CTのレース後コメントでジョッキーがローテを敗因のひとつとして挙げていたことは非常に気になります。

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最終追い切りはいつも通りの坂路を消化したディオ(9月3日撮影)


【京成杯AH/サンライズロナウド】

 前走関屋記念は距離延長だったので、個人的には逃げを選択すると思っていました。ところがこれまで蓄積してきた差し経験を継続する形。広い馬場で折り合いに相当苦労する中でも6着という結果は本当に収穫の大きなレースだったと思います。

 前走からそうですが、CWで15-15程度の追い切りを消化するようになっています。今回は少し離れた位置に馬がいる状況での追い切り。最終追い切りもCWで前を見ながら我慢する内容。いわゆる調教に関しても常識にかかるようになってきましたから、このタイミングで重賞制覇があっても、全く不思議ではありません。

【セントウルS/ピューロマジック】

 CBC賞はハンデの斤量を考慮した結果回避。その週も順調に調整は進んでいましたから、馬にとっては大きな影響はなかったように思います。少しレース間隔はあきましたが、ゆったりと調整できているので、馬が気負っているということもなく、本当に順調な印象を受けます。

 最終追い切りはいつも通り、CWでの半マイル。ラップの踏み方は前走からきれいな加速ラップですが、今回もきれいな加速ラップ。葵Sの最終追いではスピードが目立って、見た目には抜群といった感じですが、前走からコントロールの利いた、素晴らしい走りができています。競馬のスタイルとしてはハナに立つことがベストでしょうし、それが叶いそうなメンバー構成だけに、特に不安材料はありません。

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きれいな加速ラップをふんだピューロマジック(9月3日撮影)


【セントウルS/ママコチャ】

 阪神C、高松宮記念は調教内容も含め、冬場や馬場状態など、敗因はたくさんあったといってよい結果だと思います。それゆえに今回は昨年の北九州記念やスプリンターズSと比較して、その調教内容がどうかと判断すればよいだけ。まず、追い切りの本数は山のように積んでいるので、準備は万端だと思います。

 ただ、最終追い切りが坂路で2F25.0秒、1F11.9秒。北九州記念の最終追いとは大差ありませんが、スプリンターズSの最終追いは2F24.0秒、1F11.6秒。やはりGIへ出走した時とはその内容が違います。休み明けだからと軽視することはないですし、ここ2走とは違う走りを見ることができそうですが、やっぱり次を見据えているのかなという印象です。

調教Gメン研究所

準備万端のママコチャ(9月3日撮影)


◆次走要注意

・8/31 2歳新馬【ハリーケーン】(5人/1着)

 坂路の将来有望調教に該当していたので、単勝5番人気は追い切り以外の要素で人気がなかっただけ。馬は強いと思いますし、それを信じて騎乗した水口優也騎手とのコンビも最適です。ダートならこれからも楽しみですから、注目すべき存在だと思います。

[メモ登録用コメント] [ダート]最終追いが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝2000m>
◎最終追い切りトラックW馬場2F24.9秒以下かつ12.9秒以下11.9秒以下かつラスト最速
◎1週前追い切り以降トラックW馬場4F51.9秒以下

 ベストな調教適性はどちらも速さに関するもの。開幕週ということもあって、逃げるにせよ差すにせよ、スピードが必要という調教適性。特にラスト2Fは紫苑Sでも昨年1着2着が該当していました。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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