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【オールカマー・神戸新聞杯予想】ステラヴェローチェやメリオーレムら 今週末開催の重賞出走馬の調教をジャッジ

  • 2024年09月19日(木) 18時00分

高い評価に見えた馬は?


 先週はウインズ難波でトークショー。阪神タイガース元監督の矢野燿大さん、グリーンチャンネルの「トレセンまるごと情報局」でおなじみの芥田愛菜美さんとご一緒しました。すごく楽しいイベントでしたが、1部が終了した後に缶バッジを配布している時「新馬戦を予想する時『将来有望調教』助かっています」という、お声がけをいただきました。こういった言葉をかけていただけると、本当にうれしいです。

 さて、今週はオールカマーと神戸新聞杯。先々週からスタートした競馬予想TV! ではノーホーラが2週連続。イベント時に「最近、当たってないんちゃうか」というおじさまの声に苦笑いするしかありませんでしたから、今週は結果を出して「ええ調子やん!」と声をかけてもらえるように頑張ります。

【オールカマー/ステラヴェローチェ】

 札幌記念は牧場から競馬場へ直接入厩、その結果として追い切り本数が少なかったことにより、軽視していました。しかし3着しているので、そのパターンでも問題なかったと考えるのが妥当かもしれません。

 ちなみに今回は中4週というレース間隔を考えると、追い切り本数自体は豊富。9月12日の1週前追い切りでは4F50.7秒という時計をマークしています。ただ、この時の4F目が13.6秒も要しており、この評価について判断は難しくなります。最終追い切りが坂路2F24.2秒、1F12.1秒なので、速いラップでまとめている点はよいと思いますから、極端に評価を下げる必要もないのかなと思います。

【オールカマー/サヴォーナ】

 函館記念4着に関しては、調教内容が悪くなかったからこそ、あの競馬スタイルになっても3着に迫るレースができたと思います。その時の1週前追い切りが坂路で4F53.1秒で2F24.1秒の1F11.8秒。終いが素晴らしいラップを踏んでいました。

 今回は最終追い切りが坂路で4F53.8秒。全体時計は函館記念の1週前よりも遅いのに、2F24.4秒、1F12.4秒。1週前追い切りがCWで6F76.3秒と猛時計を出したように、状態が今ひとつだからこそ、時計を出して動かしたものの、最終追いでも今ひとつ動けなかったような気がします。追い切り本数自体も少ないので、調教内容としては評価しにくいところがあります。

調教Gメン研究所

追い切り本数自体も少ないサヴォーナ(8月27日撮影)


【神戸新聞杯/メリオーレム】

 昨年のエリカ賞を勝った時点でクラシック路線に乗ると思われましたが、すみれSを3着に敗れたこと、プリンシパルS2着だったことで春二冠は不参加の形となりました。夏場に2勝クラスを使うと、きっちり勝って、ここを目標にしています。

 レース間隔はあいていますが、追い切り本数自体は十分。1週前追い切りが3頭併せを一番後ろから追いかけて最先着。これでしっかり中身が出来て、最終追い切りはDPで単走。時計もかなり遅くなりましたが、次も見据えた上という内容であることは間違いありません。あとは重賞でどこまでやれるかという力関係だけでしょう。

調教Gメン研究所

メリオーレムは重賞でどこまでやれるか(9月18日撮影)


【神戸新聞杯/ジューンテイク】

 距離は違えど中京は2戦2勝、重賞勝ちは京都新聞杯ですから、ここで人気上位に支持されるのは当然。ここに日本ダービー10着というGIで走ったという実績も加わってくると、1番人気でも不思議ないといったところでしょうか。

 調教内容としては、武英智厩舎らしく、1週前追い切りを9月14日の土曜日に行って、CWで6F79.7秒。これが単走だった点は気になりますが、9月11日に坂路で併せて先着、そして、最終追い切りでも追走して同入ですから、追い切り1本ずつの負荷はそれなりです。ただ、気になるのは追い切り本数。すみれSの時も少ない本数で好走したとはいえ、京都新聞杯は豊富な運動量でした。ここをどう判定するかです。

【神戸新聞杯/メイショウタバル】

 休み明けにはなりますが、8月下旬から栗東で追い切りを開始。追い切り本数自体は決して多くありませんが、CWでしっかりと負荷をかけてきた印象を受けます。特に1週前追い切りの3頭併せはその真ん中に位置して、しっかりと最先着。ここで動いたからこそ、最終追い切りはCWで単走だったと思います。

 しかも最終追いのラップはきれいな加速。自分のリズムでラップを踏めば、やはり相当強いと思いますし、あとは皐月賞惨敗のダメージと日本ダービーを取り消した後遺症。このあたりさえ気にならなければ、ここで高い評価ができる状態にはあると思います。

調教Gメン研究所

追い切りではしっかりと負荷をかけたメイショウタバル(9月10日撮影)


◆注目の新馬戦

・9/14 【モンタルチーノ】(1人/3着) 将来有望調教該当<4頭>

 将来有望調教の該当馬が1着と3着。9着と10着に敗れた2頭はともかく、本馬に関してはメンバー最速上がりを使ってこの結果ですから、この着順も仕方ないと思います。栗東坂路の将来有望調教に該当していたので、距離を短くしても結果が出るかもしれません。

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝2200m>
◎追い切り本数標準以上併用系統の調教タイプ
○最終追い切り坂路馬場4F目最速ラップ

 2020年以降に中京芝2200mで行われた3歳重賞は5レースありましたが、そのうち4レースは◎該当馬が勝っています。決して1番人気が多いわけではないので、本命候補は◎で決まりだと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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