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【シリウスS・スプリンターズS予想】いよいよ秋GIシーズンが開幕! 評価の難しい出走各馬を調教面からジャッジ

  • 2024年09月25日(水) 20時00分

ナムラクレアの状態は好調傾向


 今週はスプリンターズS。秋のGI初戦となりますが、夏を使ってきた馬と春からの休み明けと外国馬という、すごく評価の難しい構図。しかも、良馬場なら時計の速い決着が想定できる馬場だけに調教予想においても何を重視するかということで、本命にすべき馬が変わってくるような気がします。過去2年のスプリンターズSを重視すれば、併用系統は最上位の評価になるかな、というのが現時点の組み立てイメージです。こちらはウマい馬券で最終確認のほど、お願いします。

 そして、このタイミングで「重賞捜査網」のコンテンツが終了となります。2019年春からスタートして、ここまで長い間、コンテンツが続いたのは皆様のおかげです。本当にありがとうございました。今週はGIなので全頭解説を行っています。最後に参考にしていただければ幸いです。

【シリウスS/ハピ】

 天皇賞(春)の競走中止以後、ダートで2戦して2着と4着。やっぱりダートならという結果を見せてくれていますから、このメンバーでの重賞なら人気になるのも当然といったところかもしれません。

 ただ、今回は休み明けで追い切り本数は決して多くない状態。しかもここ2走と比較すると最終追い切りが好走2回はCWに対して、今回は坂路。好走時比較となると、調教量に関しても最終追いの馬場に関しても違っているだけに、高い評価というわけにはいきません。

【シリウスS/ハギノアレグリアス】

 前走の平安Sは1週前追い切りの坂路が古馬3勝クラスを追走して同入。しかも4F目最速ラップを踏むことができていませんでした。この点についてどうかと思っていましたが、結果的には7着だったので、1週前追いの内容はチェックすべき項目ということでしょう。

 今回の1週前追いは古馬1勝クラスを追走。きっちり先着しており、4F時計も52.0秒と速い内容。そして4F目最速ラップを踏むことができていますから、休み明けでも前走とは違う状態と判断したいところです。最終追い切りもいつも通り、坂路で順調に消化。昨年同レースを勝った時とはローテが違いますが、状態に関しては良好です。

調教Gメン研究所

昨年とローテは違えど状態は良好のハギノアレグリアス(9月10日撮影)


【スプリンターズS/ママコチャ】

 前走は高松宮記念以来のレースということで、追い切り本数はたっぷり。ただ、CWでの動きを見ていると、少し太目でのレースになりそうだと予想していますが、馬体重は498キロで高松宮記念よりも10キロ増えていました。それでもきっちり2着という結果を残したのは調教の中身自体はできていたこと、そして、地力の高さということでしょう。

 今回は中2週のローテーション。勝った昨年とは違うローテですし、過去にも経験の少ない間隔の詰まったローテ。判断の難しい部分はありますが、それなりの時計をマークしていますし、無理に評価を下げる理由もないでしょう。

【スプリンターズS/ナムラクレア】

 2022年5着、2023年3着。今年は3着の時と同じローテーションでの出走となりますが、CWでの追い切りを併用していた昨年とは違い、今年は坂路オンリー。そこの評価が難しい部分はありますが、現状ではCWの追い切りを併用する必要がなくなったということなのでしょう。

 最終追い切りの内容は昨年によく似ていて、坂路で4F53.6秒、1F11.7秒。もともと動くタイプではありますが、きっちり動けたという意味では5歳秋になっても悪い意味での変化はないと思います。前走の敗因を内枠に求めるとすれば、今回も好走には条件が付くかもしれませんが、状態に関してはこの馬なりに好調だと思います。

調教Gメン研究所

ナムラクレアの動きに悪い意味での変化はない(9月24日撮影)


【スプリンターズS/マッドクール】

 昨年のスプリンターズSはCBC賞を9着に敗れてからのローテーション。レース間隔があいていたこともあり、CWでの追い切りを消化しながら、最終追い切りは坂路というパターン。1週前追いのCWでは6F81.8秒、3F36.2秒、1F11.1秒と全体時計が速い上にラスト3Fが素晴らしいラップ。そして、最終追いは坂路で4F50.3秒とこれまた速い全体時計で2Fが23.7秒。2週続けて時計的な負荷は文句なしでした。

 今年は香港遠征以来のレースということで昨年よりもレース間隔があいています。その分、調教開始が早くなって、追い切り本数が増えています。2週前追い切りの内容が昨年の1週前のCWに似ていますが、1週前追いは3F35.9秒、1F10.9秒というとんでもない数字。最終追い切りは坂路で2F24.6秒ですから、これはさほど速くありませんが、しっかり負荷をかけられているのは間違いありません。

調教Gメン研究所

香港遠征以来でしっかり負荷をかけたマッドクール(9月24日撮影)


◆注目の新馬戦

・9/21【サマースピリット】(2人/2着) 将来有望調教該当<3頭>

 将来有望調教の該当馬が2着、3着、4着。結果的には非該当馬が1着でしたが、これが逃げ切り。レース上がりは11.5秒、11.1秒、11.0秒とゴールへ向かって加速しているわけで、勝ち馬がこのラップを踏んでいるということは後続はちょっと追いつきません。ただ、このラップに対応して2着から4着に入った将来有望調教の該当馬ですから、東京開催になっても結果を出してくれるでしょう。

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝1200m>
◎最終追い切り坂路馬場4F目最速ラップ
◎1週前追い切り以降トラック馬場4F52.5秒以下
○1週前追い以降トラック併せ先着

 冒頭にも記したように、近年のスプリンターズSは併用系統の調教タイプが好走しています。ただ、秋開催のベストな調教適性は坂路とトラックでそれぞれの条件があり、これを両方満たしていると併用調教ということ。あとはスプリンターズS独特の坂路での後半2Fのラップ。これも重要になってくると思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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