侮れない伏兵も多数参戦

　今年のスプリンターズSは例年以上の好カード。昨年の1、2、3着馬に新星が加わり、香港からの出走馬も2頭いる。勝って不思議ないと思える候補が最低10頭はいる。最後は0秒1-2差の勝負なので順当という結果などないかもしれない。

　そんな中で、人気を集めるサトノレーヴ(父ロードカナロア)はライバルよりかなり強気になれる。芝1200mに限れば目下6連勝中で、光るのは1分07秒台で4勝もしていること。

　最高時計は3走前の中山での1分07秒1。自身の中身は「33秒9-33秒2」だった。速い流れを途中から好位で気合を入れつつ追走しながら、最終1ハロンを推定10秒8-9で猛然と差し切っている。同じ1200mでも最後が苦しくなる坂のある中山コースがもっとも合う可能性が高い。

　決して早熟系ではないファミリーに加え、スプリンターズSを連覇した父ロードカナロアは4歳以降【8-3-1-0】。安田記念も制している。種牡馬となってより総合スピード能力を伝え、今年を含めた最近5年、総合種牡馬ランキングは5年連続2位。

　同じく4歳時と5歳時に連覇した母の父サクラバクシンオーも、4歳以降はGI2勝を中心に、1200mは無敗の【4-0-0-0】だった。

　体型はともかく、もともとが短距離一辺倒の血統ではなく、キタサンブラックの母の父に登場したように成長力十分、こなせる距離の幅が大きい特徴を伝えている。そこでサトノレーヴは目下重賞2連勝。明らかにスケールアップしている。稍重程度の馬場は苦にしないはずだ。

　昨年の1、2、3着馬ママコチャも、マッドクール、ナムラクレアも昨年より充実していて不思議ない5歳秋。

　評価下げは危険だが、侮れない伏兵の筆頭は7歳ウイングレイテスト。初の1200mだった2走前が59キロでサトノレーヴの小差2着、初の1000mだった前走も2着。大外18番なら揉まれない。2012年にレコード勝ちのロードカナロアが当時大外の16番だった。

　香港の2頭は怖いが、大穴の1頭はダノンスコーピオン。初の1200mの前回は直線の中ほどまでレースをしていない。