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【毎日王冠・京都大賞典など予想】今週は舞台の違う3重賞 有力馬の追い切りパターンに注目

  • 2024年10月02日(水) 18時00分

連覇がかかるエルトンバローズの仕上がりは?


 今週から東京、京都、新潟での3場開催。GIこそありませんが、すごく忙しくなりそうな予感。というか、すでに今週の大井開催がレディスプレリュード、ジャパンダートクラシック、東京盃と交流重賞が続いていて、忙しい1週間になります。

 そして、重賞は東京芝1600mのサウジアラビアRC、東京芝1800mの毎日王冠、京都芝2400mの京都大賞典。それぞれの舞台に適した調教適性に関してはウマい馬券でもしっかりとお伝えしていきますが、やっぱり重賞なのでそのレースで重要になってくる追い切りパターンもあります。それらをうまく用いながら、安定した結果を出していくことが3場開催でプラス収支にする近道なんだとは思います。

【サウジアラビアRC/マイネルチケット】

 特別登録8頭のうち、6頭が将来有望調教に該当。そういった意味では少頭数でもレベルの高いレースになりそうな予感があります。本馬は栗東坂路の将来有望調教に該当して、前走中京芝1600mの未勝利を勝利。メンバー最速上がりをマークした前走の内容を考えても、まだまだこれから強くなる要素はあります。

 調教内容に関しては、レース間隔がそれなりに詰まっているとはいえ、坂路でしっかりと時計を出しています。併用調教が有利という調教適性を重視すると高い評価はできませんが、自身としてはきっちり追い切りを消化しての重賞挑戦となりそうです。

調教Gメン研究所

きっちり追い切りを消化したマイネルチケット(10月1日撮影)


【毎日王冠/ヨーホーレイク】

 鳴尾記念1着後は秋に向けて備え、8月には栗東へ帰厩。坂路での追い切りを中心に進めて、2週前追い切りと1週前追い切りがCW。岩田望来騎手が跨り、ハーパーを追走する併せ馬では相手の手応えが優勢でしたが、この馬自身も6F81.5秒、3F36.7秒、1F11.1秒と動いています。

 1週前追いがCWで最終追い切りが坂路はいつものパターン。4F54.0秒は前走の最終追いよりも速くなった時計ですが、その分だけというか、3F目12.4秒から4F目12.7秒で減速するラップになったので、ここだけが少し気になります。

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いつもの追い切りを消化したヨーホーレイク(10月1日撮影)


【毎日王冠/エルトンバローズ】

 昨年の勝ち馬で、7月にレースを使ったというローテーションもよく似ています。ただ、今年の方がレース間隔は少し短くなるので、追い切りのパターンは少し変わるかなと思いましたが、同じような仕上げ。1週前追い切りがCWで3頭併せも同じですが、今年の方が外からねじ伏せるような形で最先着。時計も優秀でした。

 それだけに最終追い切りが軽くなるのでは、と思いましたが、坂路で4F52.9秒。前走の最終追いとは時計負荷が全く違いますし、それでいて、後半2Fが24.3秒の11.9秒。勝利から遠ざかっていることも踏まえてなのか、連覇を目指してビッシリ仕上げてきた印象です。

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びっしりと仕上げてきているエルトンバローズ(10月1日撮影)


【京都大賞典/ブローザホーン】

 宝塚記念以来のレースになりますが、調教量自体は非常に豊富。吉岡辰弥厩舎へ転厩してからここまでレース間隔があいたことは初めてですが、調教量や時計的な負荷として不安を感じるところはありません。

 ただ、吉岡厩舎のパターンである1週前の土曜日追い切り。3頭併せで一番遅れるという内容があまり好ましくありません。前走は坂路の土曜日追いで遅れていたので、それを気にして高い評価ができなかったというところはありますが、天皇賞(春)の1週前土曜日CW追いではそれなりに動くことができていたので、これは本当に判断の難しいところです。

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調教量自体は非常に豊富なブローザホーン(10月1日撮影)


【京都大賞典/サトノグランツ】

 海外遠征帰りの初戦となった目黒記念は4着。思えば、1年前の神戸新聞杯を最後に勝利から遠ざかっています。ただ、今回は順調に夏を越し、栗東へも早目に帰厩。坂路とCWを併用して、たっぷりの追い切り本数で仕上げてきました。

 最終追い切りがDPだった日経新春杯は頼りなさを感じましたし、今回のCWでの最終追いはこれまでにないパターンとなりますが、近走勝てていないことを踏まえると、この変化が勝つきっかけになる可能性は十分あると思います。ちなみに動きを主観的に評価すると絶品でした。

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たっぷりの追い切りを本数で仕上げたサトノグランツ(10月2日撮影)


◆注目の新馬戦

・9/28 【ローランドバローズ】(2人/1着) 将来有望調教該当<1頭>

 将来有望調教の該当馬はこの馬しかいませんでしたが、1分53秒5という勝ち時計からも分かるようにレベルの高い1戦だったと思います。しかも本馬はCWと栗東坂路のダブルの将来有望調教該当馬。来年のダート三冠に出走している可能性も十分ある、そんな素質馬だと思います。

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝1600m>
◎本数標準以上併用系統かつ週末坂路最終トラックW
○最終追い美Wラスト1F11.9秒以下かつ最速ラップ

 昨年のサウジアラビアRCは美浦坂路の改修工事が終わって間もない時期だったこともあり、調教タイプが追い切り本数標準以上の併用系統は少なかったものの、週末追い切りが美坂で最終追い切りが美Wが1着2着。美Wでのラスト1Fも11秒台で最速ラップでしたから、これらは重要な調教適性となりそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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