23年は前後半61.9-59.2のスローで上がり3Fは11.6-11.0-11.4=34.0と速くなったが、22年のレース上がりは34.8(良)、21年は36.5(良)、20年は36.4(稍)、19年は36.4(稍)。22年と21年は阪神での施行だが、コーナー4つ内回り2000で道中の動きが激しく、持続力も問われる差しケイバになりがちな傾向。23年1着リバティアイランドは+10キロ、22年2着ナミュールは+20キロ、21年1着アカイトリノムスメは-2キロ、20年1着デアリングタクトは+14キロ、19年1着クロノジェネシスは+20キロ。近5年においてオークス以来のぶっつけで連対したのはこの5頭だが、うち4頭は馬体重を10キロ以上増やしていた。春の実績馬でもひと夏越しての成長は必要で、アドマイヤベル、ステレンボッシュ、チェルヴィニアの体重には注目。
馬場が渋った年はリバティアイランド(母父オールアメリカン)、デアリングタクト(父エピファネイア)、クロノジェネシス(母父クロフネ)、ディアドラ(父ハービンジャー)と、ロベルトの血を引く馬が勝っていることも頭の隅に。(解説:望田潤)
アドマイヤベル アドマイヤリード、ベルクレスタ、カレンシリエージョの半妹で、愛セントレジャーのジュークボックスジュリーの姪。母ベルアリュールIIはヴァントー賞(仏G3・芝1850m)勝ち馬。母父ニューメラスはジェイドロバリーの全弟。父スワーヴリチャードは初年度からレガレイラやアーバンシックなどを出し成功。リヴァーマン5×5とカラムーン6×4をもつがキレッキレのイメージでもなく、機動力兼備で弱点が少ない中距離馬。相手ナリのタイプといえる。
距離◎ スピード○ 底力○ コース○
キャットファイト ロケットやインフェルノの姪。牝祖エターナルレーヴはメイトロンS(愛G3・芝8F)勝ち馬で、子孫にサンチャリオットS(英G1・芝8F)のサフロンビーチなどが出る。父ディスクリートキャットはシガーマイルH(米G1・ダ8F)勝ち馬でオオバンブルマイやエアハリファなどの父。ディスクリートキャット×パイロはコンバスチョンと同じでよく走っている配合だ。非サンデーで斬れ勝負では譲るのでその点内回りはいいが、血統も馬体もマイラーに見えるので2000をどうこなすか。
距離○ スピード○ 底力○ コース◎
クイーンズウォーク グレナディアガーズの半妹。母ウェイヴェルアベニューはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)勝ち馬でミスタープロスペクター4×4・5。父キズナはディープインパクトの後継として成功し本年度リーディング首位を快走中。牝駒がよく走ることで知られるが、本馬はソングラインを大型でパワー寄りに振ったようなイメージの馬で、マイルで弾けるというよりは1800〜2000で手堅い。脚質的に京都内2000は合うイメージだ。馬場が渋るのはおそらくプラス。
距離◎ スピード○ 底力○ コース◎
クリスマスパレード ミスヨコハマの半妹で、ファウンテンオブユースS(米G2・ダ9F)勝ちソルダの姪。母父ブレイムはBCクラシックに勝ったロベルト系でナダル、ランドネ、リゾネーターなどの父。父キタサンブラックは年度代表馬でイクイノックスやソールオリエンスを出し成功。母方はパワーと機動力に富む北米血脈で、そこにキタサンブラックの持続力が加わったイメージの中距離馬だ。紫苑Sを見てのとおり東京より中山向きの脚質で、ここも前受けでひと踏ん張りしたい。
距離◎ スピード○ 底力◎ コース○
コガネノソラ マイネルマーティンの半妹で、ウインマリリンやウインマーレライの姪で、コラソンビートの叔母。母マイネヒメルはJRA4勝(芝1600〜1800)。ゴールドシップ×ロージズインメイはユーバーレーベン、ウインピクシス、マイネルラウレアなどよく走っている配合だ。機動力に富む牝系で、ヘイローのクロスらしい無駄のない脚捌きで、逃げ差し自在の脚質。クイーンSは機動力と自在性の勝利といえるが、今回は55キロと1F延長でどこまで頑張れるか。
距離○ スピード○ 底力○ コース◎
ステレンボッシュ