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【秋華賞予想】内回りだからこそ差し?

  • 2024年10月08日(火) 12時00分

1〜3番人気で2角7番手以下だった馬は[9-4-1-7]


 秋華賞は京都内回りコースで行われるので、創設当初は「人気薄の前残り、人気馬の差し遅れ」を期待する穴党も多かった。ほかならぬ筆者もそのクチである。

 京都は改修されたが内回りは極端に線形が変わってはいないので、2012年以降の「京都で行われた過去10回」を見てみよう。

 隊列が落ち着くあたりということで2コーナーでの通過順別成績をみると、6番手以内にいた馬は[0-3-4-58]で勝っておらず、複勝回収率も34%と低い。さらにその中でも前半分にあたる3番手以内だと[0-2-0-33]で複勝回収率は11%だ。

 実際には前にいた馬の多くが人気薄だったという事情もあるが、1番人気馬ではダノンファンタジーとアエロリット、2、3番人気ではファンディーナとレッツゴードンキが馬券の対象から外れている。1〜3番人気で2角3番手以内に行った馬で馬券に絡んだのはヴィルシーナだけ。6番手以内まで広げても昨年のハーパー(3着)が入るだけで、1〜3番人気馬であっても[0-1-1-7]といまひとつなことになっている。

 逆に1〜3番人気で2角7番手以下だった馬は[9-4-1-7]で回収率は単勝171%・複勝111%。10番手以下でも[4-3-1-6]、13番手以下でも[2-2-0-4]と半分以上が馬券圏内に届いている。無理に差し遅れを期待するのは止めておいたほうがよい。

 さらに、「京都で行われた過去10回」、10番人気以下で馬券に絡んだ馬は3頭しかいないのだが、その2コーナー以降の通過順は「10-11-11」(13年15番人気3着リラコサージュ)、「14-14-11」(19年10番人気3着シゲルピンクダイヤ)、「11-11-13」(20年10番人気2着マジックキャッスル)と3頭とも道中の通過順が2ケタだった。

 ふだんの筆者は「馬券は前から、穴は前から」と主張する立場だが、京都に戻った秋華賞だけは自説を引っ込めざるをえない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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