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“幻のお手馬”ウインディーパレスと園田オータムトロフィーに挑む! 移籍後初の重賞制覇なるか!?

  • 2024年10月08日(火) 18時01分
太論

▲弟の小牧毅厩舎とのタッグで移籍後初の重賞制覇へ挑む(撮影:稲葉訓也)


先週の金曜日は、JRAからの転入馬で2連勝! どちらも5馬身差の圧勝と、転入初戦から力の違いを見せつけてくれました。「JRAの未勝利馬はやっぱり強い」と小牧騎手。「どの馬に乗るか、その選択が難しい」とのことですが、そこはJRAで20年のキャリアを積んだ小牧騎手のこと。今後もその選択には注目必至です。さて、今週は弟の小牧毅調教師とのタッグで、重賞・園田オータムトロフィーに挑みます。パートナーは、“幻のお手馬”ウインディーパレス。はたして第三のジョッキー人生、初の重賞制覇なるか!?

(取材・構成=不破由妃子)

続々転入してくるJRAの未勝利馬──「やっぱりね、能力が違うわ」


──先週は、1日6鞍の計18鞍に騎乗。相変わらずハードな3日間でしたね。

小牧 さすがにちょっと疲れたけど、涼しくなったことでだいぶ体は楽になったわ。夏場とはしんどさが全然違うね。体のしんどさとは別に、なんか苦しんでいるけど(苦笑)。

──苦しんでいる?

小牧 ここまでババーッと勝ったから、勝ち上がり初戦の馬が多くてね。それでも人気になるから、いい結果が出せないとなんや申し訳なくて。クラスが上がったらちょっとしんどいかな…と思う馬でも、今は人気になってしまうからね。

──小牧さんのもどかしさはわかりますが、それはもうレジェンドの宿命です。そんななか、金曜日は6R、7Rと2連勝。

小牧 金曜日はね、自分でも勝てるんちゃうかなと思う馬に乗っていたから。6Rのゼットシルヴィアも7Rのモルツシャンも中央からの転入初戦で、初っ端から十分チャンスがあると思ってた。どちらも調教に乗って、自分で仕上げたからね。

──どちらも5馬身差の圧勝でしたね。ファン目線でいうと、中央からの転入初戦はやっぱり狙い目。中央でいい結果が出なかった馬でも、大いにチャンスがある。

小牧 確かにチャンスがある馬が多いよ。JRAの未勝利馬は強い。やっぱりね、能力が違うんやわ。なかでも、JRAで着(5着以内)にきたことがある馬。そういう馬は強い。ただ、僕からすると、たくさんいる転入馬のどれに乗るか、その選択が難しい。自分で調教している馬ならわかるけど、全部の馬の調教に乗ることはできないでしょう。まぁなるべく乗って、自分で判断したいなと思ってるんやけど。

──自分で自分のエージェントをしているようなものですね。

小牧 いや、競馬ブックの北坊さんと相談しながら決めてるんやけどね。水曜と木曜日の出走馬は、日曜日に出るからね。朝方にふたりで「どうしようか」って。

──日曜日の朝に出馬投票があるんですね。金曜日の騎乗馬はいつ決まるんですか?

小牧 水曜日だと思う。騎乗馬が決まる過程も中央とは全然違ってね。第一投票と第二投票があって、第一投票もジョッキーの名前が入った状態での投票なんやけど、その時点では僕の名前が2つ3つ入っているケースがある。そういうときは、北防さんと相談しながら、どの馬に乗るか決めてんねん。その第一投票が日曜日の朝で、そのあとの第二投票で確定するという流れです。

──なるほど。そうやって3日間の騎乗馬が決まっていくんですね。さて、今週は8月から決定していた弟の毅さんとのタッグで、重賞の園田オータムトロフィーに挑みます。騎乗馬はウインディーパレス。デビューはできませんでしたけど、中央時代は笹田厩舎の管理馬で、小牧さんがずっと調教を付けていた馬ですから、いうなれば“幻のお手馬”です。前走の兵庫優駿は5着でしたが、兵庫でデビューを果たしたあとは6連勝。非常に楽しみです。

太論

▲“7戦6勝”“幻のお手馬”ウインディーパレス(写真の鞍上は長谷部駿弥騎手)(ユーザー提供:gpicさん)


小牧 力はあると思うけど、揉まれる競馬をしたことがないから、そのあたりがどうかやね。

 西脇やから調教には乗れないけど、毅からは「追い切りは無事に終わった」という連絡があったよ。僕が中央で調教に乗っていた頃は夏負け気味やったから、涼しくなって体調が上向いていたらいいんやけどね。

──今のところ3番人気。レースは初騎乗になりますが、巻き返してほしい。

小牧 能力はあるからね、頑張ります。それにしても、人気ばっかりしてるなぁ。困るわ、ホントに(苦笑)。

──やはりプレッシャーですか?

小牧 いや、プレッシャーはないよ。ここまで乗ってきたんやから、楽しんで乗らな! と思っているからね。もちろん、いい緊張感は毎レースあるし、ファンや周囲の期待が伝わってくるからこそ、いいレースがしたいという思いは人一倍持っているつもり。ただね、今回はさすがにチャンスは薄いかなぁと思っている馬でも、ふと見ると人気してたりするから。プレッシャーにはならないけど、心苦しい気持ちになることはあるよ。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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