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【菊花賞・富士S予想】雨の影響も含め難解に!? 牡馬三冠最終戦出走馬の調教をジャッジ

  • 2024年10月17日(木) 18時06分

ダノンデサイルの仕上がり評価は…


 今週は菊花賞。いよいよ、牡馬三冠の締めくくりとなりますが「ダービー組」が優先出走権を独占した菊花賞トライアル、ダービー馬の直行など、やっぱり春のクラシック組が優勢なのでしょうか。それともヘデントールのような夏場に勝利を積み重ねた馬が昨年のドゥレッツァのような結果を残すのか。19日に降るかもしれない雨の影響も含めて、予想はかなり難しくなりそうです。

 先週もお伝えしたリニューアルした予想バイブル「調教のミカタ」。今週は菊花賞ということで「長距離戦の調教」をテーマにしています。18日に更新予定ですので、ぜひご覧ください。

【富士S/ソウルラッシュ】

 一昨年の富士Sが2着、今年の安田記念が3着ということで、東京マイルでも結果を残している馬。そして、今回は休み明けになりますが、9月20日の坂路での追い切りをスタートとして、十分な追い切りを積み重ねています。1週前追い切りはCWで団野大成騎手が跨り、トゥデイイズザデイを圧倒する先着で、ラストは10.7秒の伸びでした。

 この追い切りで仕上がったという判断なのでしょうか、10月14日の月曜日に坂路でいつもの最終追い切りのような時計をマーク。全休の火曜日を挟んで、水曜日以降は本格的な追い切りは行っていません。16日、17日ともに坂路で2F29.1秒と軽い負荷。今までにないパターン、これがどう出るかでしょう。

【富士S/セリフォス】

 状態がさほど良くないと思ったマイラーズCでしたが、力で2着という内容。それを思えば、前走安田記念が物足りない内容でしたが、最終追い切りの坂路での時計が遅かったのかどうなのか、というところでしょう。

 そういった意味では今回、最終追いは坂路で4F53.2秒。後半は23.7秒、11.6秒ということで文句なし。一昨年にこのレースを勝った時よりも後半2F時計は速くなっているので、次のGIが本来の目標なのかもしれませんが、調教内容としてはここで全力を出せる状態といった感じがします。

調教Gメン研究所

セリフォスは全力を出せる状態に感じる(10月16日撮影)


【菊花賞/ダノンデサイル】

 日本ダービー以来の休み明け。ローテーションを考えると、決して多くない調教量ではありますが、追い切り1本ずつの負荷がしっかりしています。特に9月27日以降、3週前追い切りから坂路で4F52.2秒をマークして、その後2週はCWでの追い切り。特に1週前追い切りは6F78.1秒をマークしていますから、これは日本ダービーの1週前追い切りと同じような時計的な負荷です。

 そして、最終追い切りは坂路で単走。実際、モニターで見た時に56秒か57秒くらい? という前半の入りでしたが、終わってみれば4F54.2秒。こんなに出てたんだという感じです。日本ダービーの最終追いと似た感じで4F時計は当時よりも速いので、状態に関しては不安なしという評価です。

調教Gメン研究所

状態に関しては不安なしのダノンデサイル(写真左奥、10月10日撮影)


【菊花賞/メイショウタバル】

 神戸新聞杯は1週前追い切りがCWで3頭併せを後方から追走して最先着。そして、最終追い切りはCWで単走でしたが、6F85.2秒と落ち着いた時計、しかもきれいな加速ラップでフィニッシュしてレースでの逃げ切りを果たしています。

 今回も1週前追い切りのCWでの併せ馬は抜群でしたが、最終追い切りがCWで6F80.9秒。前走よりもかなり時計が速くなった原因を騎乗していた浜中俊騎手が折り合いが大変だったとコメントしています。ただ、道中のラップは大きな乱れがあるわけではなく、5Fと4Fの箇所で0.1秒だけちぐはぐラップになっているだけ。この追い切りだけでレースも折り合いが難しくなると判断するのはどうかと思います。

調教Gメン研究所

折り合いが鍵のメイショウタバル(10月16日撮影)


【菊花賞/アドマイヤテラ】

 netkeibaでは、栗東所属の中で単勝予想オッズが上位。いくら中京芝2200mを勝っているからといっても、2勝クラスですから、やっぱり武豊騎手ということで人気するのかなあと考えさせられているところです。

 調教内容に関しては前走から中4週でも追い切り本数は多いですし、1週前追い切りはCWで3頭併せを行って負荷は十分。最終追い切りが芝馬場になったのは新馬戦の時と同じですし、あの時も地味な動きだったことを思えば、今回も派手さはありませんが、しっかりと追い切りの負荷はかけられているといったところです。

◆注目の新馬戦

・10/14 【デンクマール】(1人/1着) 将来有望調教該当<2頭>

 もう1頭の将来有望調教該当馬は5着でしたが、パドックではさほど目立たず。デンクマールに関しては馬体重が示すように、めちゃくちゃデカく見えて、距離に関してはやっぱりモーリスだよねって感じ。ただ、キョロキョロするような若さも見せてあの強さですから、これからもっと強くなっていくはずです。

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝1600m>
◎本数標準以上併用系統の調教タイプで週末坂路最終トラックW
○最終追い切り美Wラスト1F11.9秒以下かつラスト1F最速ラップ

 ◎も○も調教条件としてはさほど簡単ではないため、開幕2週で1着になったのは2頭だけ。ただ、その2頭は◎○どちらも該当していたので、その点は見逃せない調教適性だと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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