【菊花賞予想】タケホープ以来のダービー・菊の二冠馬へ ダノンデサイルが快挙達成に挑む
上がり馬注意も自力を信頼
20年ほど前まで、ダービー馬が「菊花賞」に出走するのはごく自然のスケジュールだった。1984年から2003年の20年間には、ダービー馬が菊花賞に14頭も出走している。成績は[2-3-3-6]。
ところが、スピード化が進みしだいに長距離型の減少した2004年から2023年の20年間は、菊花賞に出走したダービー馬は6頭に減った。成績は[3-1-0-2]。この間に三冠馬が3頭も誕生(05年ディープインパクト、11年オルフェーヴル、20年コントレイル)しているので、菊花賞の重要性自体は失われていない。今年、昨年のタスティエーラ(日本ダービー1着→菊花賞2着)に続き、ダノンデサイル(父エピファネイア)が挑戦するのは快挙にも近いことだ。
ただ、グレード制が成立して40年、前出の勝ち馬5頭はみんな三冠馬であり、本番前に1戦していた。ダノンデサイルは5カ月の休み明け。また、「日本ダービー、菊花賞の二冠牡馬」は長い歴史のなか、1973年のタケホープだけであることが知られる。
だが、先週のチェルヴィニアは5カ月の休み明けでGI秋華賞を制した。翌日、GII府中牝馬Sを勝ったブレイディヴェーグは11カ月の休み明けだった。調教技術の格段の進歩なども関係し、近年、レース間隔は問わない。
また、今年は春のクラシック二冠で着順掲示板に載ったのは、ほかにコスモキュランダ、アーバンシックのわずか2頭だけ。皐月賞を快レコードで勝ったジャスティンミラノ以下を日本ダービーで完封しているダノンデサイルに恵まれた組み合わせだ。
最近20年間、春のクラシック不出走馬が10勝もしている。怖いのは遅れて台頭してきた上がり馬だが、ショウナンラプンタ、ヘデントール…など数頭が該当するものの、遅れて台頭の大器というほどの馬はいないと思える。
3000mのレース展開(流れ)は、途中からでもハナに立ちそうなメイショウタバルがいて微妙だが、ダノンデサイルの横山典弘騎手ならペース判断に心配はない。1998年セイウンスカイで3分03秒2。当時のレコードで菊花賞を逃げ切った際の前後半バランスは「1分31秒6-1分31秒6」に限りなく近かったという記録がある。
父エピファネイアは2013年の菊花賞馬。母の父Congratsコングラッツはつい最近、フォーエバーヤングの母の父として脚光を浴びた種牡馬だ。
相手本線は、秋になって変身したアーバンシック、スタミナを秘めると思えるコスモキュランダだが、伏兵としての魅力は差す形を覚えたシュバルツクーゲル。