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【天皇賞(秋)など予想】秋伝統の一戦に好メンバー集結 有力GI馬の調教内容ジャッジ

  • 2024年10月23日(水) 18時00分

今秋で引退のドウデュースの仕上がりは?


 今週は天皇賞(秋)。東京競馬場のGIということで、ようやく、この秋初めて、GIを目の前で見ることができます(笑)。入場制限があるので、ひと昔前ほど混雑することはないでしょうが、マークシート対応の馬券発売機は混雑することが予想されます。対して「スマッピー投票」の発売機はきっと空いていると思います。なぜなら、スマッピー投票がそれほど浸透していないから。マークシートを塗るかわりにスマホでQRコードをつくるだけですから、紙で出てくる馬券に変わりはありません。きっと、紙馬券で残しておきたいという方もいるでしょうから、スマッピー投票できるようになっておくと、めちゃくちゃ便利だと思います。

 そして、今週金曜日更新の予想バイブルは無料提供させていただく予定。テーマは天皇賞(秋)にも関係の深い「併用調教」。予想ではなく、併用調教とはなに? みたいな内容になっているので、今後の予想に役立てていただきたい解説書のような形になりますが、ぜひ一度読んでみていただきたいコンテンツではあります。

【アルテミスS/カムニャック】

 デビュー前の追い切りから、久しぶりに友道厩舎へ牝馬クラシックへ乗りそうな大物が入厩してきたと思っていましたが、その期待を裏切らない新馬戦の走りだったと思います。この中間はひと息入れていますが、そこからの立ち上げが思ったほど、という感じのようで、2週前追い切りの動きは確かに、らしくない、感じもありました。

 ただ、1週前追い切りのCWでの併せ馬の動きは2週前と違って、しっかりしています。それでも厩舎コメントのトーンとしてはさほど上がってこないのですが、これは期待しているからこその厳しめ評価。最終追い切りはCWできれいな加速ラップを踏むことができましたし、十分勝負になる状態での出走になると思います。

調教Gメン研究所

きれいな加速ラップを踏むことができたカムニャック(10月22日撮影)


【スワンS/クランフォード】

 netkeibaの予想オッズで1番人気。重賞実績もない3歳牝馬がここで最上位評価されるとは、やはり3連勝って勢いは評価されるんだとあらためて感じるところです。馬個体で見た時にどうかということに関しては、1週前追い切りをCWで併せ馬を課してくるという、これまでの3連勝と同じパターンを継続している点は評価すべきだと思います。

 ただ、2勝クラス、3勝クラスを勝っている時はいずれも中7週で4本の追い切り。決して追い切り本数の多い馬ではありません。また、最終追い切りの坂路での時計も遅いタイプで、調教としては軽い内容で好走しています。重賞のレースの流れになった時、この調教内容で好走できるかどうか、その点が気になっていましたが、それを相殺するように今回の最終追い切りは今までになく速い、坂路4F53.4秒という時計。これで判断が難しくなりました。

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今回の最終追い切りは今までになく速かったクランフォード(10月22日撮影)


【スワンS/スズハローム】

 中9週というレース間隔が微妙ではありますが、追い切り本数としては標準的な量をこなしています。追い切りの時計的な負荷という意味では1週前追い切りが6F85.9秒。全体時計としては遅い印象でしたが、その分、ラスト2Fが11.1秒から11.0秒と加速。道中がきれいな加速ラップを踏んでいて、非常に良い印象でした。

 最終追い切りは坂路で4F56.5秒。これまた遅い全体時計ですが、ラストは11.6秒と速いラップでまとめています。もともと京都芝外回りではめちゃくちゃ速い上がりを使っていますが、追い切り内容だけで評価すると当時よりも末脚に磨きがかかった印象です。

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末脚に磨きがかかった印象のスズハローム(10月22日撮影)


【天皇賞(秋)/リバティアイランド】

 ドバイシーマクラシック以来のレースとなりますが、9月下旬から栗東で追い切りを開始しており、レースに向けて淡々と準備している印象を受けました。中間の追い切りでの併せ馬は1週前追い切りの1本だけでしたが、すごく反応が良くて、ラスト1F10.8秒はさすがのラップでした。

 最終追い切りはCWで単走。ゆったりとした走りからラストは1Fは12秒をちょっと切ったくらいかなと思いましたが、実際は11.3秒の計時。軽く動くことができる状態ですし、追い切りを見るかぎり、休み明け感はありません。

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軽く動くことができる状態のリバティアイランド(10月23日撮影)


【天皇賞(秋)/ドウデュース】

 今秋をもって、現役引退を発表。その初戦は天皇賞(秋)となりますが、昨年と同じレース。ただ、ドバイで走ることなく取り消した昨年とは違い、今年は精神的に落ち着き十分といった感じ。その様子は1週前追い切りまでの段階でも十分に感じることができました。

 でも、一番落ち着きを感じたのが、DPでの最終追い切り。シヴァースが先行していましたが、シヴァースが少しラップを緩めた時に追いかけていたドウデュースがぐっと距離を縮めましたが、そこで素直に収まります。今までなら頭を上げたり、もっと近くまで行ったりしていたところを収まった姿を見て、もう自由自在だなという感じ。だからこそ、ラスト1F10.8秒(自己計測)のラップも持ったままの手応えでしたし、今のドウデュースなら心配するところがありません。

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心配するところがないドウデュース(写真奥、10月17日撮影)



◆注目の新馬戦

・10/20 【ヤマニンブークリエ】(2人/1着) 将来有望調教該当<7頭>

 11頭立てに7頭の将来有望該当馬がいたので、出走頭数は少なくてもメンバーレベルは高かったと思います。そんな中で上位3頭が拮抗。勝ち馬は追い切り本数自体は少なくて、まだ伸びしろがあると思います。

◆開催おすすめの調教適性

<京都芝1400m外>
◎最終追い切り坂路4F目最速ラップ
◎最終追い切り坂路3F目12.5秒以下
◎最終追い切りトラックWラスト2F23.9秒以下

 2日目に行われた長岡京S(3勝)がWの◎が1着で4F目最速の◎が2着3着。3連複3万超えの配当でしたから、この調教適性はなかなか重要。ちなみに坂路はダブル最速に該当していたので、上がり3Fの担保があるとなお信頼できます。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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